2019年、新年おめでとうございます。今年もファンファン福岡の「福岡キミスイ本」シリーズでは、福岡の書店員さんを訪ねて、福岡ゆかりの本を紹介してもらいます。第4回は「TSUTAYA BOOKSTORE マークイズ福岡ももち店」の店長・森永勇作さんの登場です。
「ふくや」創業者・川原俊夫さんがモデルの物語
「めんたいぴりり」 東憲司 著
―森永店長が手にされているのは「めんたいぴりり」(集英社文庫・540円+税)ですね! はい。いわずと知れた、辛子めんたいこを製造、販売する「ふくや」(福岡市)の創業者・川原俊夫さんがモデルの物語です。「映画めんたいぴりり」が公開されたばかりで、“めんぴり”の話題が盛り上がっています! 本書は2013年に放映された同名ドラマのノベライズで、ドラマで脚本を担当した東憲司さんが書き上げた小説です。単行本サイズはなく、文庫版だけ販売されているんですよ。
―ドラマや映画では博多華丸さんが主人公を演じています。 そう、その印象も強いのですが、この人物像が、小説でもとても魅力的に描かれているんです。みんなを巻き込んでいく温かい人柄、周囲がほだされるほどのアツい福岡愛。“人たらしの男の人生”とでも言うのかなあ。 ―ストーリーは、「ふくのや」の辛子めんたいこ誕生秘話を中心に、主人公の博多祇園山笠に傾ける情熱、家族愛などが、小気味よい博多弁とともに展開しますね。 主人公が周囲と力を合わせ、仲間意識を持って何かを成し遂げていくやり方というのは、今の時代にこそ注目されるべき方法論なのではと感じました。今の若い人が企業のトップやリーダーに求めているのは、案外、人間味や温かさだったりするのかなと。そういえば成功しているIT企業の人たちって、家族的というのか、物語の中の「ふくのや」と同じような雰囲気だったりしますよね。 ―多くのスタッフを抱える立場の店長さんとしても、大いに参考になったということですか? そうなんですよ(笑)。バイトさんは大学生がほとんどということもあって、物語のように和気あいあいと進められたらいいですね。
―店内の「めんたいぴりり」コーナーが目立っていますね。 ドラマの原作にあたる「明太子をつくった男」(海鳥社・1200円+税)や作品ガイド本といった関連書籍、ふくやの商品などを紹介しています。
―館内の映画館「ユナイテッド・シネマ福岡ももち」とのコラボもされたとか。 『映画めんたいぴりり』の鑑賞券を使った催しを実施しました。今後もこのように、マークイズももち館内の店舗と、楽しいコラボをしていけたらと考えています。 ―小説を読んでから映画を見たいと思いますが、どうでしょう。 エピソードや会話が面白くて、ぱっと一気に読める本なので、(映画を)見てから(小説を)読んでも、読んでから見ても、どちらもいいと思いますよ。読後は、一層福岡のことが好きになっているハズです。皆さんもぜひ!
※情報は2019.1.11時点のものです