「イスラム教徒の人は宗教上、豚肉やアルコールを摂取できない」という話を聞いたことがありますか?
今月1日から航空会社「エアアジアX」の福岡―クアラルンプール便が運航し、マレーシアやその近隣から多くのイスラム教徒が福岡にやって来ることになりました。彼らは、普通に地域の人が楽しんでいる和食や有名なグルメを食べたいのに、イスラム教徒が安心して食べられる店が福岡にはほとんどない! そんな状況を解決すべく、「極味や 西新店」(福岡市早良区西新)が、フードダイバーシティ株式会社(東京都)のアドバイスのもと、世界で初めてのイスラム教徒も食べられる「ハラールもつ鍋」を誕生させました。 ※ハラールとは、「イスラム法で合法のもの」を指します。 「極味や」さんは、ステーキやハンバーグ、焼き肉の飲食店として有名で、特に韓国人に人気があります。今回の「ハラールもつ鍋」は西新店のみの販売です。
今回、「極味や 西新店」では、下記の3つのポイントを中心にハラールもつ鍋に取り組んだといいます。 ①牛の小腸(もつ)を使う→ハラール認証を受けた食肉加工会社ゼンカイミート(熊本県錦町)から仕入れて使用②スープは豚の代わりに牛や鶏を使用し、保存料として使われるアルコールにも注意。この店オリジナルの「あご」はそのまま使用③店内では豚肉を出さない
国産牛のステーキも同じくゼンカイミートから仕入れ、石焼用のペレットで好みの焼き加減でいただきます。柔らかく、肉の旨みもしっかり味わえますよ。
2月22日、発売当日の試食会に参加したところ、九州大学の留学生と卒業生のインドネシア人5人のイスラム教徒は、初めて食べるもつ鍋の味を絶賛。プリプリのもつとキャベツやニラの野菜、締めのちゃんぽん麺を堪能していました。私も通常のもつ鍋とハラールもつ鍋の両方を試食させてもらいましたが、言われてみないと分からないほど、どちらもおいしい! 思い起こせば30年ほど前、私が通っていた九州大学にもたくさんのイスラム教徒の学生がいて、一緒に作ったチキンなどのカレー以外、もつ鍋などローカルフードを共に食べることはできませんでした。これがあの当時にあれば、どれだけの笑顔を見られたことか。 相当な試行錯誤のなかで完成した「ハラールもつ鍋」。発売以来、30人以上が注文する日もあるなど順調な滑り出しをみせているとのこと。
「もつ鍋」だけでなく、たくさんの福岡のおいしい料理が食べられるよう、もっと環境を整えていかないといけませんね。まずは第一歩のお店です。 お友達や知人のムスリムの方に紹介してね。