ホテル日航福岡(福岡市博多区)で3月22日、同ホテルの料理人が料理の腕を競う毎年恒例のコンクールが開かれました。27年目となる今回のテーマは「チームワークを見せつけろ! ~10年後もあるといいな、と思うメニュー~」で、九州の名産品とホテルの農園の野菜を使うことが条件。和食、洋食、中華など、ジャンルの異なる職場で働く9チーム(2人1組)が出場し、味や見た目、アイデアなどで競いました。
見事1位になった料理は、4月25日(木)から5月20日(月)にホテル内のレストランで提供されるそうです。
コンクールは、新人料理人の育成や調理技術の向上を目的に開かれています。今回は、ホテルのレストラン2店、中華料理店2店、日本料理店、鉄板焼き店、宴会調理課(2チーム出場)、製菓調理課の各職場で働く、先輩料理人と新人料理人が2人1組で出場。事前にメニューを考案し、当日に挑みました。 コンクール当日は、ホテル関係者やファンファン福岡など地元メディアの審査員が見守る中、1チーム10分間で調理法のこだわりを語ったり、調理の仕上げをしたりして、アピール。審査員は、アイデア、味、美感、商品性、自己PRの5項目で採点しました(筆者も試食・採点しました)。 接戦の中、見事1位(会長賞)に輝いたのは、「宴会ホット」チームの末次和貴さん(勤続23年)と繁田透弥さん(勤続2年)が考案した「福岡県産和牛肩ロースの赤ワイン煮込み」。
ワインで煮込んだ牛肩ロースと野菜に、ソースをかけていただきます。肉はおいしく柔らかくするため、低めの温度で調理したといいます。食べ進めると、ソースや肉汁が皿の穴から下に落ちていきます。 肉と野菜を食べ終え、その皿を外すと、下からラビオリが現れます。
穴から落ちた肉汁やソースと合わせて食べるラビオリ。その味はもちろん、演出も楽しめる一品です。
1位になった「宴会ホット」チームの末次さんは表彰式で「これまでやってきたことは間違っていなかった」と喜びを語りました。 1位の料理は「黒毛和牛の8時間コンフィ,ラヴィオリ添え」と名称を変えて、4月25日(木)から5月20日(月)に同ホテル2階のレストラン「レ・セレブリテ」で提供されることが決まりました。ランチコース「マルシェ」(税別4,000円)のメイン料理3品のうちの1品として提供されるそうです。 上位入賞の料理を写真で紹介 惜しくも優勝は逃したものの、おいしい料理ばかりだったので、上位入賞の料理を紹介します。 特別賞(ビジュアル賞)は、製菓調理チームの「PEARL JUBILEE(パール・ジュビリー)」。 同ホテルは今年で30周年。結婚30年を「パール婚」として祝うのにちなんだ、真珠のような見た目の洋菓子です。スポンジなどをホワイトチョコでコーティングしています。
テーブルに運ばれるときには、あめ細工のふたで覆われていて、木槌で割って食べる演出もすてきでした。
2位(社長賞)は、レストラン「レ・セレブリテ」チームの「糸島産豚フィレのがめ煮風野菜のファルス セージの香るソースで」。洋食なのに「がめ煮」風というアイデアがいいですね。
3位(総支配人賞)は2チームあり、中華「鴻臚 大丸福岡天神店」チームの「四宝古老肉 畑の四つの宝の黒酢酢豚」と、製菓調理チームの「PEARL JUBILEE」。 酢豚は一見、肉が入っていないように見えますが、実は中身をくりぬいた小さなタマネギの中に詰められています。定番の酢豚ですが、ひねりが利いていました。
4位(総料理長賞)は、中華「鴻臚」チームの「富貴皇排翅 ~日航農園の春の恵みと海の幸の特上フカヒレスープ~」。野菜などを煮込んだスープで、味付けは塩だけだそうですが、とても深みのある味でした。
いずれも、ホテルの料理人の技術力の高さと熱意を感じる料理でした。 ホテル日航福岡 住所:福岡市博多区博多駅前2-18-25 電話:092-482-1111