衣料品販売の「アダストリア」(東京)は10日、店頭の洋服を自宅に持ち帰って試着できる新サービスの実証実験を福岡市で始める。
同社によると、アパレル業界で全国初の取り組み。福岡市の駅ビル「JR博多シティ」に入居する自社ブランド8店で満足度や普及に向けた課題を調査し、全国展開を目指す。
サービス名は「ドットエスティゴー」。利用者はスマートフォンに専用アプリをダウンロードし、クレジットカード番号などを登録。店頭に並ぶ服やスカートなどを最大5着まで持ち帰り、自宅で試着できる。気に入った商品のみアプリで購入手続きし、残りは専用キットで返品する仕組みだ。試着期間は持ち帰った日を含め3日間、返品は決済後7日間以内。商品タグを外したり、商品を汚したりした場合は買い取りの対象となる。 新サービスは「手持ちの服と合うか分からない」「子どもが一緒だとゆっくり選べない」といった店舗での試着時の悩みを解消し、買い物での失敗を防ぐことが狙い。同社は「ネット通販の普及で店舗の役割も変化した。新たな買い物体験を提供して来店動機を作り、顧客との接点を増やしたい」としている。実証実験は5月10日まで、JR博多シティのアミュプラザ博多、アミュエストに入居するブランド8店で実施する。 アダストリアは女性を主なターゲットととし、「グローバルワーク」や「ローリーズファーム」「ニコアンド」など20ブランド超を国内外で約1,500店舗展開している。