長沢まさみさん演じる主人公・ダー子率いる個性豊かな人物が、爽快な“騙し合い(コンゲーム)”を繰り広げるテレビドラマ「コンフィデンスマンJP」。人気脚本家の古沢良太さんが脚本を手がけたこのドラマが映画化され、5月17日(金)に全国公開されます。ドラマに続き、神出鬼没のコンフィデンスマン(詐欺師)、五十嵐役を演じた小手伸也さんに話を聞きました。
— 大ブレークのきっかけになったドラマ「コンフィデンスマンJP」。俳優・小手伸也の転機になったのでは? やっぱり初めてのレギュラーという点が大きかったですね。本当に大きな手応えを感じたのと同時に、五十嵐は超えないといけない壁にもなりました。役名で覚えてもらえることは役者冥利(みょうり)に尽きますし、本当にありがたいです。みんなこの作品が大好きなので、古沢さんに頑張っていただければ、無限にやれるんじゃないかと(笑)。この世界が続く限り、ダー子と(東出昌大さん演じる)ボクちゃん、(小日向文世さん演じる)リチャードの3人と一緒に楽しめたらいいなあと思っています。
— 今回ついに映画化。脚本を読んだ印象を。 読んだ直後は、古沢さんの脚本がとにかく面白くて。最後まで読み切って、ふと自分の名前が書いてあることに気付いて、そうだこれやるんだ、どうやるんだろうと…(笑)。 — ドラマに続く映画化で、キャストのチームワークがさらに良くなったのでは。 また同じメンバーで撮影できることがうれしく、楽しかったですね。ドラマの延長のようなノリで撮影に入ることができたので、すごくやりやすかったです。ドラマ出演時、初めて長沢さんとお会いした時は緊張しましたが、“3人と五十嵐”という構図に助けられて。普段もそんな雰囲気で、長沢さんはだんだん僕を“ドS”な感じでいじってくれるようになりました(笑)。 — 撮影で苦労した点は? 初めて脚本を読んだ時の楽しさを僕らがどこまで具体化できるか、そこが難しい点でした。本は読者の想像力をかき立てる、最高のエンターテインメントだと思っています。古沢作品のファンとしてプレッシャーはありましたけど、脚本の読後感を維持しつつ、さらに僕らの力でそれを超えたいと思って撮影に臨みました。キャスト・スタッフ全員が同じ思いで、その気持ちの高まりが映画に反映されていると思います。
— 舞台となった香港での撮影はいかがでしたか。 とにかく暑かった! 屋上のシーンは、直射日光に何時間も当たったままで過酷でしたが、大好きな人たちと一緒だったので僕はすごく楽しかったです。香港での撮影最終日には、東出くんの部屋に長沢さん、小日向さんの4人で集まって部屋飲みしたんです。映画を成功させないといけないという責任感とか作品への思いとか、実はそれぞれにこの映画に懸けている部分があることを知って…。ふざけていた割に、普段しないような深い話までできたのは、3人に一歩近づけたようでうれしかったです。酔っていた僕は、東出くんに油性のマジックで顔に落書きをされましたけど(笑)。「これ、取れないやつじゃん!」と。 — 皆さん息がぴったりですが、撮影ではアドリブも多い? 純粋なアドリブではないですが、はしゃぐシーンなんかはキャストに任されていて自由なんです。ダー子もボクちゃんもリチャードも率先して遊んでましたね。本当にふざけるのが大好きな人たちなので。 — 男性としてダー子という女性はどうですか? イヤですね(笑)。すごくかわいいですけど、厄介で。すごく残念な美女なんですよね。でもダー子の下手な(設定の)色仕掛けに、僕は簡単に引っかかると思います(笑)。 <プロフィル> 小手 伸也(こて・しんや) 1973年生まれ。神奈川県出身。劇団innerchild(インナーチャイルド)主宰。脚本、演出、出演を兼ねる。主な出演作に大河ドラマ「真田丸」、「仮面ライダーエグゼイド」、「コンフィデンスマンJP」、「SUITS/スーツ」など。4月にスタートした連続テレビ小説「なつぞら」、「集団左遷‼」に出演中。