GWは全部義実家で過ごせ! 舅の命令を覆した救世主は誰…?!

 数年前のゴールデンウイークの話です。その年は10連休と異例のロングバケーションでした。皆さんは、海外や国内、旅行に出かけましたか? 旅行は、計画している間がもっとも心が躍るもの。けれど、そんな楽しい計画に水を差す人物がいたのです。それは、絶対君主の舅(しゅうと)。果たして、どんな命令を下したのでしょう。そして救いはあったのでしょうか…?!

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上司より苦手な人とは?!

出典:写真AC

 友人Aは、6歳の息子と同世代の旦那と暮らしていました。仕事をそつなくこなすワーママの彼女ですが、上司以上に苦手な存在がいました。

 それは、旦那の父親-舅です。専業主婦の姑(しゅうとめ)が、なんでも言うことを聞くせいか、舅は、唯我独尊(ゆいがどくそん)、絶対君主のようにふるまっています。  旦那も、親に反抗したことがないそうで、いつも言いなり。Aの実父(じっぷ)が、優しい人だった分、結婚してからは、そのギャップに驚き、舅の理不尽な命令に逆らえない旦那に腹を立て、時には涙することさえありました。  

ゴールデンウィークの過ごし方

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 さて、話は少し前にさかのぼります。やっかいな義親はさておき、Aは心を躍らせていました。心の中を占めていたこと、それは、めったにないゴールデンウイークの長期休暇をどうやって過ごそうかという計画でした。

 10日間もあれば、新婚旅行で行ったヨーロッパへ再訪することもできます。新婚時代、夫婦で訪れた場所に、今度は息子も連れて行く。そう考えただけでワクワクしてきました。  

 きっと誰もが同じことを考え、旅行会社に問い合わせをしていることでしょう。海外に慣れている人からアドバイスをもらいたいと、仲の良い旦那の妹-義妹に相談することにしました。仕事でもプライベートでも海外に行く機会の多い義妹なら、最高の旅行プランを提案してくれることでしょう。  

 ところが、この相談が、後から大騒動を招くのです。  
 義妹に相談をした数日後、舅からAの携帯電話に連絡がありました。電話に出た瞬間から横柄な口ぶりで、こんな命令を下してきたのです。  
 「ゴールデンウイークに海外へ行くなんてどうかしている。旅行会社やホテルが足元を見て、ツアー料金や宿泊費用を、とんでもない金額に値上げしているとニュースで見た。そんな価格が暴騰している時に、海外に行くなんてばかばかしい! 孫の顔も見たいから、うち(義実家)でずっと過ごしなさい」  

 義実家で過ごす10連休…。Aにとっては、ゴールデンウイークどころか、地獄の10日間になることでしょう。さらに頭に来るのは、当初、海外旅行に乗り気だった旦那が、
 「父さんもそう言ってるし、実家でだらだら過ごそうか」なんて言い出したことです。

 だらだら過ごせるのは、旦那だけで、嫁の立場のAが、だらだらできるわけもありません。 楽しい旅行の計画に水を差されて、すっかり意気消沈したAでしたが、海外旅行を諦めたくありません。

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 電話の直後、義妹から
 「兄さんたちがゴールデンウイークに海外旅行を計画していることを、父に伝えてしまって、ごめんなさい。まさかあんなに反対するなんて、思ってもいなくて。父を説得するなら、私も加勢します!」 という謝罪と力強い言葉をもらい、説得するしかないと心に決めました。
 とはいえ、舅は、年を取るにつれ頑固になり、他人の言うことはもちろん、姑やわが子の言うことすら、聞く耳をもたないのです。どうやって説得すべきか頭を悩ませていたら、意外な救世主が現れたのです。 

 数日後の週末、義実家を訪れました。お昼ごはんの最中、舅の長い自慢話に、適当に相づちを打ちながら、Aはいつ話を切り出そうかとタイミングを計っていました。会話が途切れた時、恐る恐るゴールデンウイークに海外旅行を計画していると話題に出してみました。    

 すると舅は
 「この前話したことが、まだ分からなかったのか! わざわざ高い時期に旅行するなんて、ばかなやつのすることだ。息子の稼いだお金を無駄にするな。いいから、ゴールデンウイークはうちに来なさい」と命令してくるのです。
 「わが家はダブルインカムで、家計を支えているのは、旦那も私も一緒なんですけど…」  

 そんな言葉が喉まで出かかっていますが、大人なのでこらえます。時代錯誤の言葉にムカムカとしながら、隣に座っている旦那に「ちょっとは反論してよ」と目配せしても、しらんぷり。コレは駄目か… と諦めかけたその時、6歳の息子がこんなことを言ったのです。

意外な救世主とは?

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 「じいじ、怖い言い方するのやめて。ママは、じいじのことが嫌いだよ? 怖いんだよ!!」 まさかの発言に、Aは慌てて
  「ん~? そんな怖いなんて言ってないよ?」と、すっとぼけた声が出てしまいました。

 少し離れた場所にいた姑は、聞こえなかったふり。
 「恐い!」と言われた当の本人の舅も、孫からの反論にたじろいだようで、Aや孫を叱りつけることはありませんでした。    息子の意外すぎる発言に、固まってしまったAでしたが、いつも舅に強く当たられて、涙するママの姿を見ていた息子は、息子なりの反撃で、ママをかばってくれたのでしょう。  

 その後、息子の発言に背中を押されたのか、言われるままだった旦那が
 「なかなか行ける機会もないし、ゴールデンウイークは旅行に行ってくるよ。父さんたちのところには、また別の週末に遊びに行くからいいだろ」と説得してくれたおかげで、舅の理不尽な命令は、うやむやに。

 そして、Aたち家族は、念願のヨーロッパ旅行へと遊びに出かけることができたのでした!

(ファンファン福岡一般ライター)

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