福岡市博多区の博多部で古くから続く食堂の一つとして知られ、地域の常連客やうわさを聞きつけた客が訪れる「丸万食堂」。
![](https://fanfunfukuoka.nishinippon.co.jp/wp-content/uploads/photo/external_photo/data/1377869/xlarge_34369743-3d49-4d99-9ad9-d30074baa26e.jpg)
現在の店主、橘敬介さんの祖父・音吉さんが1936年に創業。83年の長きに渡って“町の大衆食堂”として多くの胃袋を満たしてきました。 橘さんは「近所にあった渕上デパート(当時)のお客さんが、うちにもたくさん寄ってくれてね。本当ににぎやかやったとよ」と古き良き昭和の思い出を話してくれます。
![](https://fanfunfukuoka.nishinippon.co.jp/wp-content/uploads/photo/external_photo/data/1377870/xlarge_2879696b-1170-4e17-8338-75c6ebad05a9.jpg)
うどんやちゃんぽん、丼ものなど創業当時から変わらない定番メニューが並ぶ中、一番の人気は「オムライス」(税込み650円)です。
![](https://fanfunfukuoka.nishinippon.co.jp/wp-content/uploads/photo/external_photo/data/1377872/xlarge_7e9d5495-cd69-4061-bf18-7e5c5d20294e.jpg)
「特によく来てくれる中洲で働く人は舌が肥えとるけん」と、福岡県産米「夢つくし」を炊き上げ、玉ネギと鶏肉のうまみを生かしたケチャップライスを作ります。 卵2個分を薄く広げて焼き、ケチャップライスにのせてできあがり。外側はしっかりと火が通り、内側はふんわりしている卵。食感の秘密は、ラードで一気に火を通す技にあるそうです。懐かしさにあふれた味で、ファンを得ています。
![](https://fanfunfukuoka.nishinippon.co.jp/wp-content/uploads/photo/external_photo/data/1377875/xlarge_0188f917-0da2-494b-b013-524d99e1daa2.jpg)
博多で生まれ育った橘さん。同級生の俳優・小松政夫さんが訪ねて来る時のことを「決まって『かろのうろん』でうどんば食べた後、うちでこのオムライスば食べて帰るのが定番やね」と教えてくれました。
![](https://fanfunfukuoka.nishinippon.co.jp/wp-content/uploads/photo/external_photo/data/1377876/xlarge_54f2a0f7-d703-4801-8216-b22c11d481ce.jpg)
月曜は豚のしょうが焼き、水曜はオムレツと、曜日でメインが変わる「日替わり定食」(650円)や「焼き魚定食」(750円)など手頃な値段の定食がそろいます。 一番高いメニューですら、「ランチ」(という名のプレートメニュー)850円。豚カツ、牛肉の炒めもの、目玉焼きとボリューム満点です。
![](https://fanfunfukuoka.nishinippon.co.jp/wp-content/uploads/photo/external_photo/data/1377877/xlarge_2c6265c6-81b4-4d0a-aa9e-7a17aeb06512.jpg)
「さすがに今度の消費税増税で、少し値段ば上げるかもね。20円とか50円とか」と橘さん。上がったとしても、良心価格であることは変わらないようです。 残念なことに橘さんの後継者はいないそうです。「私か妻、どっちか体ば壊したら店は閉めるやろうね。元気なうちに食べにきんしゃい」。少しでも長く続けてほしいお店です。 ★老舗のこだわり★ ◆炒め物に使う油は油専門店から取り寄せるラード ◆店舗は古くても常に清潔を心掛けている ◆常連さんの好みは覚えて薄味、濃いめなどに対応
丸万食堂
住所:福岡市博多区上川端町4-204 電話:092-291-4017 営業:11:00~14:00、17:00~20:00 土・日曜、祝日休
※情報は2019.5.30時点のものです