産後の職場復帰が近づいてくると、授乳中のママは断乳するべきかどうか悩むところかもしれません。職場によっては、授乳を続けやすい環境をつくってくれることもあるようですが、まだまだそうとも言えないのが現実。職場復帰にあたって最終的に断乳を選ばざるを得なかった私の体験をご紹介します。
職場復帰と母乳育児の悩み
長男を出産後、1年間の育児休業を取得していた私ですが、職場復帰が近づくにつれてどうするべきか… と頭を悩ませる問題がありました。
それは、母乳育児を継続するか、否か。
一般的には職場復帰に合わせて断乳をするというケースが多いと思うのですが、長男の場合は「じゃあ断乳!」と思いきれない事情がありました。
長男は哺乳瓶嫌いの離乳食嫌い。母乳以外をほとんど受け付けなかったのです。母乳以外にも少しずつ慣れさせようと母乳を制限したこともありました。しかし、標準を大きく下回る長男の体重が、更に激減するのが恐ろしく、私の方がギブアップ。医師からも
「今は無理せずに母乳で体重を増やして」と言われていたので、職場復帰してからもできるだけ母乳を続けたいと思っていました。
職場復帰後は社内の託児所に長男を預ける予定だったため、ダメもとで託児所の所長や自分の上司に事前に相談。すると、ありがたいことに快く承知してくれ、就業前や昼休みに託児所に授乳に行くことをOKしてもらえました。
これで、何とか授乳を続けられる…! そう安心したのもつかの間、職場復帰まであと数日というときに託児所から急にお断りの電話がかかってきてしまいました。聞けば、新年度から所長が代わったために、方針が変わったとのこと。
「ほかのお母さんは断乳して仕事に専念しているんですよ。1人だけ特別扱いはできません! それにね、お母さんが託児所に顔を見せると、ほかのお子さんが自分には来てくれないのにって寂しがるでしょ。何度も来られるとみんなに悪影響なんですよ!」
突然のNGに困惑
確かにもっともな理由かもしれません。でも、個人差だってあるはずだし、最初の所長からは許可をもらっていただけに、何とかしてほしいという気持ちもありました。しかし
「授乳を諦めなければ、お子さんは預かれない」と言われてしまったため、授乳の継続は諦めざるを得ませんでした。
直接授乳がダメなら、せめてミルクよりは長男の受け入れがいい冷凍母乳をのませてもらえないかとお願いしてみたのですが、保育士の手間がかかること、衛生上管理が難しいという理由からこれもダメでした。
結局、職場復帰と同時に強制的に断乳せざるを得なかった私たち。
仕事への復帰後は、母乳は昼休みにトイレで絞って、そのまま捨てるしかありませんでした。それでも、結局は乳腺炎になって、数日間高熱と痛みに悩まされる羽目に。長男の方も精神的に不安定になって夜泣きが激しくなったり、体重が激減して高カロリー飲料を医師に処方されたりと、なかなか過酷な託児所デビューとなりました。
職場復帰に合わせて、スムーズに断乳ができる場合はいいけれど、そうでないケースもきっとたくさんあるはずです。多くの女性が産後も仕事を続けていく時代だからこそ、仕事をしながらも母乳育児を続けるための選択肢がもっとあってもいいのにと思います。
(ファンファン福岡一般ライター)