三連水車が水しぶきを上げ、棚田が鮮やかな緑に色づく季節。いま、福岡県朝倉市、東峰村に訪れるべき6つの理由とは?
新カフェや新イベントに出掛けよう!
2017年7月5日に起こった九州豪雨から間もなく2年。被害の大きかった朝倉市の一部や東峰村には、いまだ土砂崩れの跡が残り、仮設住宅住まいの人もいるなど、その傷跡が癒えるには、まだ時間がかかりそうです。 一方、復興への取り組みや支援は、着実に続けられています。新感覚カフェの登場や新イベント、伝統工芸のコラボグッズ発売など、新しい話題が届きました。食べ比べしたい名物グルメもあります。 これからの夏のお出掛けにぴったりな、朝倉市と東峰村の情報を紹介します。
★理由1★ 新カフェがオープン
Toho Forest Village Café ランプの森~1/fゆらぎ~ (とうほうフォレストビレッジカフェ)
バイカーも立ち寄る憩いの基地
<東峰村>MAP-1
東峰村小石原の中心部に出現した大きなコンテナが目印。1990年代に多くのヒット曲を放ったロックバンド「T-BOLAN(ティーボラン)」の森友嵐士さんがプロデュースする観光ステーションとカフェは、5月にオープンしたばかり。
九州豪雨後に村の復興親善大使に就任した森友さんと有志で作る支援グループ「TEAM励~Re:I(チームレイ)」が運営しています。カフェではテークアウトでスペシャルティコーヒーやホットドッグなどを提供。コーヒーは福岡市中央区谷の「フスクコーヒー」の店主が豆を卸すだけでなく入れ方まで指南した本格的な味です。
ツーリングによく利用される道沿いにあり、森友さんがバイク好きということもあって、カフェにはバイカーが多く立ち寄ります。「今後はイベントなどで、集いの場としての役割をもっと果たしていきたい」とTEAM励のメンバー、松藤かおりさんは話してくれました。
Toho Forest Village Café ランプの森~1/f 住所:東峰村小石原941-9 電話:0946-74-2055 営業:10:00~17:00(場合により変更) 木曜休
gallery cobaco shop+café(ギャラリーコバコショッププラスカフェ)
くつろいでアートに触れる古民家カフェ
<朝倉市>MAP-2
90年前に建てられた古民家をリノベーションして2018年4月にオープン。畳の上でのんびりくつろぎながら、スペシャルティコーヒー、ケーキ、和菓子などを味わえます。
「和菓子は、福岡市の和菓子店・小豆庵のこだわりの品をお出ししています。特にアイスクリームは、この店のために作ってくださったオリジナルです」とオーナーの秋重久美子さんは話します。
カフェの壁や床の間などには、アート作品やレトロな生活雑貨が飾られ、どこか懐かしさを感じます。
一方、ショップには工芸品やデザイン性の高い雑貨が並んでいます。
「地域の人がアートを気軽に楽しめる場所にしたくて」と秋重さん。前庭に建てられたガラス張りのギャラリーでは、絵画や写真、彫刻などの作品展や個展が開かれ、自由に鑑賞できます。 秋重さんのアートへの愛情と豊かな感性が随所ににじむ、すてきな空間です。
gallery cobaco shop+café 住所:朝倉市牛鶴109 電話:0946-22-3490 営業:11:00~17:00 火・水曜休
★理由2★ 新名物がアツい
「蒸し雑煮」への注目度が上昇中
<朝倉市>MAP-3
朝倉地域の一部の家庭で主に正月に食べられていた「蒸し雑煮」。あさくら観光協会などが2016年に「筑前朝倉蒸し雑煮プロジェクト」を立ちあげてPRを展開し、「地元グルメ」として知られ始めています。
江戸中期に長崎から福岡に茶わん蒸し料理が伝わり、朝倉で正月のごちそう「雑煮」と合わさり食べられるようになったのだとか。朝倉市内の飲食店13店で食べられます。 あさくら観光協会 電話:0946-24-6758
★理由3★ 新スポットが出現
遊休地がヒマワリ畑に一変!?
<東峰村>MAP-4
東峰村小石原鼓の農産物直売所「つづみの里」の近くにある遊休地が、ヒマワリ畑に一変!?
高齢化や九州豪雨の影響で増えてきた遊休地を農地として守ろうと、農業ボランティア団体「東峰村農援隊」が今年5月、遊休地0.15haにヒマワリの種をまきました。つづみの里で感謝祭が開かれる8月3日(土)、4日(日)ごろに見頃を迎えそうです。
「ヒマワリを目印に復興に向かう姿を見に来てください」と 東峰村農援隊副代表の高橋弘展(ひろのぶ)さんは話します。
つづみの里 電話:0946-74-2288
★理由4★ 定番スポットが見頃
三連水車や棚田は今が“旬”!
<東峰村・朝倉市>MAP-5 三連水車 、MAP-6 棚田
三連水車や青々とした棚田が、夏の訪れを告げています。 朝倉市菱野の三連水車は、約230年前に、堀川の水を川面より高い耕地に水を送るために造られた日本最古の実働する水車。今年も6月17日から動きだし、10月中旬まで回ります。近くの農産物直売所「三連水車の里あさくら」では災害時の写真なども展示されています。
東峰村宝珠山竹地区の棚田は、「日本の棚田百選」にも認定され、標高差160mの約11haに約400枚の田があります。青々とした美しい景観は県道52号沿いの棚田交流館から見られます。
★理由5★ 新イベントを開催
特産品のジョッキでビールを味わって
<東峰村>MAP-7
特産品の小石原焼と高取焼のジョッキでクラフトビールを楽しんでほしい―。東峰村地域おこし協力隊が企画したイベント「天空の窯郷ビアフェスト2019」が8月24日(土)、小石原焼伝統産業会館駐車場で初めて開かれます。
九州クラフトビール協会の協力でビールを販売するほか、ジビエ(野生鳥獣の肉)料理などを提供する十数軒の屋台が出店。初めにデポジット(金額未定)を払って焼き物のジョッキを受け取り、好みのビールを飲んで回って! 「九州豪雨で計画が中断しましたが、ようやく開催できます」と東峰村地域おこし協力隊の後藤抄織さんは話します。
天空の窯郷ビアフェスト2019
日時:8月24日(土)11:00〜21:00(L.O.20:30) 場所:小石原焼伝統産業会館駐車場(東峰村小石原730-9) 問い合わせ:小石原マルシェ 電話:090-5383-6478
★理由6★ 話題の土産あり
甘木絞りのアイテム
<朝倉市>MAP-2
朝倉市(旧甘木市)に伝わる絞り染めの技法を日ノ目スタヂオ・西村政俊さんが2017年に再興。デザイン性も高く注目の的です。「gallery cobaco shop+cafe」(MAP-2)や催事などで販売。
日ノ目スタヂオ 電話:050-5241-8085
みんなの白
<朝倉市>MAP-8
「地域でおいしいパンを」と2015年から林宗徳さんが自宅横の工房で焼き上げるこうじ菌で作るパンは、しっとりして優しい甘味。店舗はなく「三連水車の里あさくら」(朝倉市山田2192-1、MAP-8)などで販売。
天然発酵ぱん みんなの木 電話:080-3023-3592
畳あめ
<朝倉市>MAP-9
朝倉市で畳店を営む傍ら「畳屋ラッパーMc Tatami」として活動する徳田直弘さんが、畳店業界や原料イグサの産地を盛り上げようと商品化を企画。食用イグサを使ったあめで、1袋10~12個入り。7月以降、徳田畳襖店(朝倉市甘木1209-2<MAP-9>、電話:0120-193-513)などで販売。
徳田畳襖店 住所:朝倉市甘木1209-2 電話:0120-193-513
※情報は2019.6.27時点のものです