「考えた人すごいわ」「これ半端ないって!」などユニークな店名の食パン専門店を全国でプロデュースしている岸本拓也さんが手掛けた食パン専門店「偉大なる発明 福岡赤坂店」が7月27日、福岡市中央区赤坂にオープンしました。
「偉大なる発明」は鹿児島市で4月に1号店がオープンし、福岡赤坂店は2店目。1959年に創業し、ハンドバッグやカバン、財布を販売しているニューバッグワカマツ(鹿児島市高麗町)が、パン業界へ参入するため設立したAZoom(アズーム)が運営しています。
変わった店名は「『いまだかつてないパンを発明した空想上の偉大な発明家』が『発明を重ねたどり着いた究極の食パン』を販売する店舗だから」というコンセプト。また鹿児島の偉人・西郷隆盛が桜島を見て「偉大だ」と言ったというエピソードにもちなんだそうです。この偉大な発明家のイメージ図が店舗の壁に大きく描かれているのが店の目印です。 みずみずしい食パン!? 販売しているのは、プレーンタイプの食パン「新熟成」(2斤、税込み864円)と、これにレーズンが入った「果樹園」(2斤1,058円)の2種類のみ。
まずはプレーンタイプの「新熟成」を試食。「まずはトーストもせず、何も付けず、そのままの甘味を味わってください」と岸本さんに言われ、4つ切りほどの厚さのパンを口に運びます。綿菓子のようにふわっとした口当たりで、口の中でじゅわっと素朴な甘味が広がったかと思うと、すぐに溶けてなくなってしまいました。パンの耳は香ばしさがあり、デニッシュ生地のような食感。トーストしていなくても、さくっとしていておやつ感覚でどんどん食べてしまいます。 パンの水分量にこだわっているそうで、パンの感想としては不適切かもしれませんが、すごくみずみずしい!
岸本さんは「焼き方にコツがあるんです」とにやり。細かいところは「秘密」だそうですが、通常パンを焼く時は上火と下火で熱を加えるところ、この店ではドライヤーを当てるようなイメージで熱風で焼くそうです。そうすることで生地の水分量をできる限り残したまま焼くことができるのだとか。
さらにこだわったのが“香り”。「焼きたてのパンって結構イースト菌の香りがしませんか? あれが少し苦手で…」とAZoomの社長・若松孝一郎さん。岸本さんと試行錯誤して「甘い香りの食パン」を誕生させたといいます。 食材は、鹿児島市の1号店と同じものを使用。小麦粉は「究極のやわらかさ」と「口溶けの良さ」を追求するために、独自の製法できめ細かく製粉されています。
ほんのり優しい甘さの訳は、鹿児島県の奄美大島や種子島で採れたサトウキビで作った黒糖です。1号店が鹿児島市にあることから、「地域のものを取り込みたい」と鹿児島産のサトウキビを使っているとか。まろやかで深いコクが出るそうです。南米のアンデス山脈で採掘されるピンク色の塩「ローズソルト」もパンの甘味を際立させるための隠し味として使われています。 レーズンがふんだんに盛り込まれた「果樹園」 「果樹園」は、「サンマスカットグレープ」のフルーティーさを残した大粒のレーズンがふんだんに練り込まれた食パンです。一口食べるとぷちっと果実がはじけ、果汁がじわっと口の中に広がります。「レーズンが苦手な人でも、これは好き」という人が多いのだとか。確かにフルーツのフレッシュさを残しているので、ドライフルーツが苦手な人でも大丈夫かもしれません。お土産に持っていっても喜ばれそうですね。
果樹園は、1日寝かせたものを焼かずにそのまま食べると、レーズンの味がしっかりパンに移っておいしくなるそうです。何日たってもおいしいまま、むしろおいしくなるってお得感があります。 店の誕生秘話 岸本さんが手掛けるパン店は、国内外合わせて120店舗を超えています。岸本さんがベーカリープロデューサーになったのは、パンの手軽さに引かれたからだとか。「一流ホテルの食パンでも150円くらいで買える。その金額の手軽さに反して、心を込めるほどにおいしくなるパンはロマンや哲学がある!」と思ったそうです。
若松さんは「高級な食パンが数々販売されていますが、本当は食パンって、日常生活に溶け込んでいるもの。もっと気軽に毎日食べてほしいんです」と言います。福岡の2号店は、繁華街(天神)から近い住宅街に造りたかったそうで、「鹿児島店では毎日の朝食用に買いに来てくれるお客さんもたくさんいます。福岡でもそうなってほしい」と話していました。 自宅用にもお土産用にもおすすめの「偉大なる」味。北部九州で食べられるのは現在この福岡赤坂店のみです。ぜひ試してみてください♪
偉大なる発明 福岡赤坂店
住所:福岡市中央区赤坂2-1-18 電話:092-713-9750 営業:10:00~19:00(なくなり次第終了) 年中無休
※情報は2019.8.7時点のものです