福岡を代表する秋の祭り「放生会(ほうじょうや)」が開かれるなど、博多っ子にゆかりの深い筥崎宮(福岡市東区)。同宮の東門から目と鼻の先の静かな住宅街で営まれているのが、和菓子店「筥崎小豆庵(はこざきしょうずあん)」です。店主の田中正己さんは、菓子の製造販売だけでなく、店のロゴマーク作りやパッケージデザインまで、すべて自分で手掛けるなど、こだわりのお店です。
以前は、大手インフラ企業の技術畑で働いていたという田中さん。一念発起して脱サラし、和菓子作りの世界へ飛び込みました。会社員時代から、職場に手作りの菓子を差し入れして批評を聞くなど、とにかく研究熱心でモノづくりへの意欲は人一倍。さらに東京の製菓学校で2年間、年の離れた若い同級生と共に和菓子の基礎を学び、卒業後は菓子製造会社で力を磨いて、2012年に満を持してこの店をオープンさせました。
「筥崎宮というすばらしい神社があり、せっかく人が集まるのに『箱崎に来たから買っていこう』という名物やお店がこの周辺になかったんです。それなら私が作ってみようと思い、筥崎宮にちなんだお菓子を考え、店に並べました」と田中さんは話します。
そこで田中さんが作ったのが、筥崎宮のお膝元を象徴する「伏敵最中(ふくてきもなか)」(1個税込み150円)。お宮の楼門に掲げられた「敵国降伏」という大きな扁額をモチーフにしています。 パリッとしたもなか生地の中には、季節の素材や風味を感じられるあんが詰まっています。あんの種類は豊富で、例えば「小倉」「柚子(ゆず)」「抹茶」「生姜(しょうが)」他にも「梅」「桜」など。6種類セット(箱入り900円)は手土産にぴったりです。 今回いただいたのは、刻んだ栗が入ったなめらかな白あんがぎっしりの「くり」。「あんこは詰めたてを食べるのが一番おいしいので、あまり多く店頭に並べていません」と田中さん。確実に購入したい時は、電話で事前連絡しておくのをおすすめします。
ほかにも箱崎らしさを表現した菓子があります。筥崎宮の正月の祭り「玉取祭(玉せせり)」の雄玉・雌玉をイメージした「玉取祭」(1個90円)は、ラムレーズンあんとバニラビーンズを使ったバニラミルクあんを黄身あんで包んだ焼き菓子です。
「筥どら」(1個140円)は、はちみつを混ぜたしっとり生地と北海道産大納言のつぶあんの相性が抜群で、ずっしり詰まったあんが人気です。 他にも、おはぎや豆大福など定番菓子や季節によって変わる華やかな上生菓子なども並びます。
1つずつ、全く違う表情を見せてくれる、凝った和菓子たち。「これはダージリンティーに合う」「これは濃い緑茶」「これは絶対コーヒー!」など、食べる時に一層楽しみがふくらみました。秋の夜長のティータイムに、和菓子のひと時はいかがですか。
筥崎小豆庵
住所:福岡市東区箱崎1-23-23 電話:092-643-6886 営業:12:00~19:00 水・木曜休
施設名:筥崎小豆庵
住所:福岡県福岡市東区箱崎1-23-23
営業時間:12:00~19:00
日曜営業
定休日:水曜日・木曜日
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。
アクセス:箱崎駅から424m
※情報は2019.9.10時点のものです