中村佑介の働き方改革「好きな事を仕事にしたいなら」やるべきことは?

 こんにちは!めがねです。  先日福岡パルコで開かれた「中村佑介展」。開催期間中に行われたトークショーに参加してきました。すごく考えさせられる内容だったので長文になってしまいましたが、興味がある方は、ぜひ読んでいただけるとうれしいです。

出典:ファンファン福岡

ちなみに私は電子書籍版を持ってます。” width=”657″ height=”510″ /> めがねが所持している中村佑介さんの関連本など[/caption]  四年制大卒で公務員や大企業の会社員になることに価値を見出していた時代は、とっくに過去。今やベンチャー企業というだけでは、もてはやされることもなく、できては消える会社が多い中で、個人の働き方への考え方も変わりつつあります。 中村さんは、こうした日本の約20年の時代の変遷の中で、好きなことを仕事にするためには具体的にどうしたらいいのか、常に自問自答しながら行動に移してきた有言実行のイラストレーターです。  1978年生まれで大阪芸術大学デザイン学科卒業、現在41歳。ASIAN KUNG-FU GENERATION、さだまさしのCDジャケット、小説「謎解きはディナーのあとで」、「夜は短し歩けよ乙女」のカバー、音楽の教科書、お菓子のパッケージなど、数多くのイラストを手掛けています。 イラストを見れば「あっ!知ってる」ってなるんですが、私が初めて中村さんのイラストと対面した「夜は短し歩けよ乙女」がこれです。

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 当時、どこにも似た作風を持つ人がいない特異な作家(森見登美彦)が出てきたと興奮していたところに「まさか、これほどドンピシャなイラストを付ける人がいるなんて」と感動でした。  キャミソール系のワンピースに和風のカバンを合わせるような「意識高い系女子」が“裸足”という謎のシチュエーション。しかも追いかけてくる<もっさい>男子に「関心がないわけではない」と匂わせるような表情と立ち姿がいい。小説を読んで想像したイメージとズレがないんです。  その後、画集「Blue」の発売記念として2012年に福岡で開かれた中村さんのトークショーに伺って、さらに衝撃を受けました。なぜならば“作家とお金の話”という、イラストから受ける可愛い作家像とくい違う内容だったからです。  ちょっとだけ話がそれますが、めがねがほんの少し出版社にいた2000年頃、イラストレーターって、イラストだけでは食べていけないので、バイトもしながら、編集側が指定したテーマに添ったイラストを数個いくらで受注していました。イラストを本職にできるのは、一部の大物のみ。福岡でも、似たような状況です。今はアマチュアの人にも発表の場が増えたので、さらに厳しい状況かもしれません。  話を戻しますが、中村さんは大阪芸大時代から、イラストで生活するにはどうしたらいいかを考えてきたそうです。2012年のトークショーでも、イラストレーターがいかに日本で認められていないか、対価が低いかと熱弁されていました。  あれから7年。8月末に行われたトークショーでは、グミやチョコパイなどのお菓子のパッケージ、さらには音楽の教科書に起用されるまでの経緯を話してくれました。  例えばこのイラスト。

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 中村さんのこの時期の課題は、「子どもにも受け入れてもらえるイラストは何か」。そこでヒントになったのが「ハローキティ」だったそうです。子どもから大人、日本から海外まで広くファンがいるキャラクターですが、イラストを見ていて気付いたのが“色を絞っている”ことだったそうです。そこで、それまでの色を沢山使ったイラストから極端にシンプルな色数に。  そして、子どもにも受け入れてもらうために思いついた2つ目が、“子どもは意外とリアルなものを好む”という事実。大人が使っている物の精緻なミニチュアほど子どもは喜ぶという理論。トミカ、シルバニアファミリー、アナ雪のドレス、子ども用キッチン用品、スノードームなどを想像すると分かりやすいですね。子ども扱いされない満足感とそこにいるような箱庭感。だから、子どもでも生活の中で目にする、どこにでもある物のディテールを細かく描く。  2つの答えを実践したのが、この表紙だったそうです。  なるほど! 確かに。あのベストセラー小説の表紙に、そんな秘話が…。  ふんわりした関西のイントネーションで、立板に水の流れるようなトーク。しかも役に立つ、実践的かつ具体的な話ばかり。教科書にイラストが起用されるまでの話も超絶面白いんですが、マジで長くなってきたので表題の話に入ります。  「“好きな事を仕事にしたい”なら、やるべきこと」は何か、です。  ツイキャス(ツイットキャスティング)で生配信しながらのトークショーだったんですが、参加者にイラストを描いている方も当然いて、そんな未来のイラストレーターにも向けたメッセージがすばらしかったし、私なりに思うところもあったのでまとめます。  「日本は絵を描くのが好きな人が多いけど、それを仕事にしようという発想を持つ人がなかなかいない。なぜかというと、生活費を稼げなさそうだし、第一どこに、どういうアプローチしたらいいか分からないからじゃないか。だから実は「なれない人」じゃなく勝手に諦めて「ならない人」の方が多い。結論とにかくイラストを書いてコンテストに応募する、それが近道だよ」と。 「公募ガイド」を勧めてから「今月末は『本の日(11/1)ブックカバーデザイン募集』の締め切りだよ」とおっしゃっていました(笑)。

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ちなみに私は電子書籍版を持ってます。” width=”460″ height=”460″ /> 「みんなのイラスト教室」も面白いです。ちなみに私は電子書籍版を持ってます[/caption]  中村さん自身が悩みながら乗り越え開拓した道を、惜しげもなく後輩たちに教える。だから背中を追いかけてきてほしいというメッセージですよね。それは愛情でもあるし、そういう人が増えれば、数の力で日本のイラストレーターの働き方を変えられるという話でもあると理解しました。

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 最後に蛇足。めがねは、出版→フリーランスの映画宣伝を10年以上やって、5年前に一般企業に転職したんですが、会社員になってビックリしたことがあります。それは「仕事は我慢してやるもんだ」と思っている会社員が多いということです。  「まだ月曜日かー。あと4日もある。早く帰りたい」って、今年新卒入社した子から聞いた時は衝撃でした。だって20歳から65歳まで働くとして、1日8時間×240日のホワイト企業に勤めたとしても、働く時間って45年間の約5分の1ですよ。その間ずっと「つまらない」と思って過ごすということですよね。  めがねのように転職することもあるかもしれません。だったら、今の仕事を好きになる、それが無理なら自分の好きな事を仕事にする努力を、人生1回くらいしてみても損にはならないんじゃないかなと思います。えらそうに…と言われそうで、ちょっと冷や汗なんですが、中村さんの話を聞いて、改めて私もそう思うなーと激しく共感したという話でした。  最近紹介した浪漫革命の「KYOTO」は「夜は短し歩けよ乙女」からインスピレーションを得た曲です。 京都のバンドだし、中村さんのバンド「S▲ils(セイルズ)」と共演することもあるかもしれないですね。  長々とお付き合いいただき、ありがとうございました!

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