旅行ライターのMarilyn Yoshidaです。 秋晴れの日、大分県玖珠町から国指定名勝地でもある広大な耶馬溪(大分県中津市)を抜けて中津市内へ。日本遺産に認定された耶馬渓の歴史や文化を語るストーリー「やばけい遊覧~大地に描いた山水絵巻の道をゆく」をたどるモニターツアーに参加しました。 今回は、耶馬渓エリアをご紹介します。
秋が深まる耶馬渓を走ろう
自転車に乗ると、目線も高くなり見える景色が変わって気持ちいいという体験がありませんか? 耶馬渓では、大自然の中を自転車で走ることができます。耶馬渓鉄道跡を活用した「メイプル耶馬サイクリングロード」は、初心者でもロードバイクを楽しむことができる道です。耶馬渓サイクリングターミナルでは、ロードバイクやママチャリ、タンデムタイプに電動自転車などレンタサイクルが充実しています。 この日は、ロードバイクをレンタル。サイクリングターミナルから約6㎞先の目的地の平田地区にある平田邸に向かいました。
馬渓王気分でお茶を~平田邸特別内覧~
平田邸は、馬渓王と呼ばれた平田吉胤(ひらたよしたね)氏の邸宅です。大正時代に貴族院議員だった平田氏は平田地区の橋、駅、郵便局を整備した地元の名手。ここは著名人など多くの人を家に招きもてなす場だったそうです。入母屋造りの木造3階建ての国登録有形文化財で今も個人宅としてお住まいで、この日は特別に内覧ができました。 特別に木造の3階まで上がらせていただきます。さえぎる物がなく3方に開かれていて、山々を望める座敷からの景色はすばらしいものでした。
平田邸では耶馬渓の四季を楽しめるおもてなしが待っていて、耶馬渓産のお茶を楽しみながらいただきました。お茶うけに、からし椎茸や鶏のから揚げ、巻柿、そばまんじゅうが用意されていました。馬渓王気分で緑茶や紅茶、ほうじ茶をいただきました。
平手邸は通常は公開されていませんが、定期的にイベント開催をしています。通常は邸宅前の道から外観を見学することができます。
羅漢寺のそばにある岩山「古羅漢」(ふるらかん)でプチ登山体験
古羅漢制覇に挑戦! この日は、本耶馬渓観光ガイドの会代表でベテランガイドの久篠(くしの)さんと一緒に登ります。 古羅漢は耶馬渓の奇峰で、摩崖仏(まがいぶつ)や天然の石橋、鎖場があり楽しみながら登ることができます。ガイドさんと一緒だと足場や鎖の手すりの持ち方などを注意してくれるので安心です。
中腹の岩窟(がんくつ)「雲せん窟(うんせんくつ)」には日本画家「雲せんさん」が2年間暮らした草庵があります(老朽化していましたが日本遺産事業として修復されています)。登る途中に一休みできるありがたい場所です。
古羅漢は、景色はもちろん、梯子(はしご)や鎖場ありと、アスレチック気分で登ることが楽しめる場所でした。途中、摩崖仏や仏像に触れることもできます。
今回は15分程度で登れる場所までの体験でしたが、古羅漢探勝道を楽しんで羅漢寺まで行くこともでき、2時間程度で歩くことができるそうです。秋に挑戦すれば紅葉も楽しめるので、是非地元のガイドさんと一緒に登って古(いにしえ)を感じてみたいと思いました。 奇峰の渓谷、耶馬渓は大自然を満喫できる場所。川沿いをサイクリングで楽しむのも良し、古羅漢から羅漢寺までを歩いて登るのも良し。 これからは、日本遺産「やばけい遊覧」のストーリーに触れながら旅するのにいい季節です。耶馬渓の紅葉シーズンももうすぐ。耶馬渓には体を動かした後にゆっくりできる温泉もあります。この秋、大自然に抱かれる日本遺産やばけい遊覧のストーリーに触れる旅にでかけてみては?
【日本遺産とは】
文化庁が2015年から日本の文化財や伝統文化を語るストーリーを「日本遺産」として認定。ストーリーを語る上で魅力ある有形・無形の文化財群を活用する取り組みも支援。現在、全国で83件が認定されています。
日本遺産「やばけい遊覧~大地に描いた山水絵巻の道をゆく~」 問い合わせ:中津市企画観光課 電話:0979-22-1111(8:30~17:30) 問い合わせ:中津耶馬観光協会 電話:0979-64-6565(8:30~17:30) ※中津市公式観光サイト「中津ナビ」も確認を