毎日育児に奮闘中の皆さん、育児書に救いを求めたものの「こんなの理想論! 現実は違う!」と投げ捨ててしまったことはありませんか? 先日ママ友と、叱らない育児を提唱している育児書の話になりました。ベストセラーになった育児書ですが、共感できるかどうかで賛否両論の様子。あなたは、叱らない育児に共感できますか?
「叱らない育児」なんてムリ?!
わが家には6歳の娘と4歳の息子がいて、2人して毎日コロコロと転がったり、くっついたりしながら遊んでいます。時には、おもちゃの取り合いになってけんかをしたり… ということもありますが、私が大ざっぱな育児をしていることもあり、子どものけんかを仲裁したり、口を出したりすることはめったにありません。
また、娘は面倒見が良く、息子はお姉ちゃんが大好きなので、いつの間にか仲直りしている様子。たまに勃発するけんかさえなければ平和なので、あまり子どもを叱ることはありません。
この話をすると
「子どもをめったに叱らないなんて、うそでしょ?」と、ママ友数人に驚かれました。しかし思い返してみても、ここ数カ月子どもを叱った記憶がないのです。
するとママ友は
「それは、あなたが女児ママだからだよ! この前、叱らない育児についての育児書を読んだけれど、ちっとも共感できなかった!」と言うのです。
その場で、ママ友の言う「叱らない育児書」について調べてみました。叱らない育児のコツを読んでみると、私はなるほどと共感できたのですが、男児ママは口をそろえてこう言います。
「叱らない育児に共感できるのは女児ママだけ! 男児ママだって、本当は笑顔で穏やかな日常を過ごしたいけれど、育児書の通りにいくことなんてないのよ」
わが家にも息子がいるので、私は女児ママでもあり、男児ママでもあるのですが、そう断言されてしまうと言い返す言葉もありません。ではみんなどんな時、どんな風に子どもを叱るのか…。耳を傾けてみるとクスッと笑ってしまう珍事件が起こっていました。
“ブートキャンプ式育児ママ”の場合
6歳と4歳の男児を育てているAママの場合。自称ブートキャンプ式育児を実践しています。
「私は子どもを叱らない日なんてないし、叱ることになんの疑問も抱かない。わが家の育児は軍隊形式で、ママが司令官、子どもたちは新兵ってところね。たとえば食事の時なら『ほら姿勢! 左手をちゃんと出しなさい! だらだらしない!』とビシビシ指摘しているわ。そうでも強く言わないと、ちっとも言うことを聞かないんだから」
私が
「そんなに強く叱って子どもが泣いたり、心が折れたりしない?」と尋ねると、Aママはいやいやと大きく手を振りながら、こう言うのです。
「うちの子どもたちにそんな打たれ弱いところなんてないない! ガンガン叱られて、いいかげん反省したかなと思ったら『かあさん、もう終わり? おやつまだ?』なんてケロッとしてるのよ」
なんて肝の据わった男児なのでしょう。そんな返しをされたら、どんなに怒っていても笑ってしまいそうです。
“鬼上等ママ”場合
次はAママの話に大きくうなずいて共感していた、5歳と3歳の男児がいるBママ。
「分かるわ〜! この前、息子の友達数人と公園へ遊びに行った時、友達が遊具を取り合ってけんかしたのよ。それを見てママ友が『仲良く遊ばないと駄目でしょ? 遊具の上で押し合いへし合いして、落ちたらどうするつもり? けがするのよ!』と叱っていたらしいの。
そこを通りかかったのが、うちの上の息子。ママ友が怒っている様子を見て『そんな怒り方じゃ、俺は全然効かないわ〜! うちのママ、怒っている時マジで怖いから! まるで鬼! それに比べたら全然怖くないよ』って言って立ち去ったんだって」
その様子を想像して、思わずプププ… と吹き出してしまいます。Bさんは憤慨したようにこう続けます。
「ママ友から息子の発言を聞いて、本当に腹が立ったんだからー! 私のことを鬼扱いしている上、普段からそれだけ怒られていること、全く反省していないんだから! それだけ怒らないと、やっぱり話を聞く気がないんだなと思って、これまで以上に叱りつけているよ。鬼上等!」
ママが叱るのは、子どものことを心配するがゆえ
ちなみに、AママとBママの息子たちは、会ってみると、とっても良い子たちなのです。普段からママに厳しく指導されているからか、マナーやルールをしっかり守り、キビキビと動くしっかり者ばかり。
とある育児書に
「子どもは、親が思う通りには育たないけれど、心配するほどひどくも育たない」と書いてあったのですが、本当にその通りなのでしょう。
ママが叱るのは、子どものことを心配するがゆえ。時には、ママの愛のむちも必要なのだと、叱らない育児のわが家も見習いたいと思っています。
(ファンファン福岡一般ライター)