なぜ、保育士が産後うつに?! 産後うつの症状や原因~私の体験談~

 私は保育士になってから、子どもと関わる中で「ママになりたい」と感じることが多くなりました。結婚してからすぐに子宝に恵まれ、妊娠。保育士として働いていたことが自信になり、子育てに困ることはないだろうと楽観的な妊娠生活を送り、待ちに待った出産を迎えたのですが…。私が産後うつになった体験談です。

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想像と違った出産

 出産予定日の1週間前、夜中に破水しました。出産は陣痛から始まるものだと思っていた私はびっくり。これから母になることに、気持ちが追いつかないまま病院へと向かいました。

 破水をしたにも関わらず、陣痛がなかなかやってこない状況に、赤ちゃんが苦しいかも… と促進剤を打ち、鉗子分娩と少し特殊な出産となりました。

 そして無事に男の子を出産。やっと出会えたわが子を見ると、出産の痛みを忘れるほどの感動と安堵で涙が止まりませんでした。

育児はトラブルの連続

写真AC

 産後、最初の壁となったのが、授乳です。初産のママは誰もが苦戦しますが、私も苦しみました。経産婦さんや上手なママを見ては「私は何で上手くできないの?」と焦りました。母乳をうまく出すことができないため、胸に母乳が溜まってしまい、熱を持ってパンパンに張れ、乳腺炎にもなりました。
 この辺りで、「保育の知識は役には立つけれど、今の状況では実践力にはならない」ことに気が付きました。

 退院してからは自宅に帰り、24時間赤ちゃんと一緒。
 赤ちゃんはよく眠るイメージでしたが、息子は眠りが浅いタイプでした。抱っこから降ろすと、布団に背中が当たった瞬間に起きて泣くため、1日の大半を抱っこで過ごしました。そして3時間おきの授乳。授乳が終わったら、おむつ替えに抱っこです。

産後うつかもしれない

 当時の私は、布団でまとまって休む時間がなく、子どもを抱っこしたまま座って仮眠していました。痛む会陰、慣れない授乳で切れて痛い乳首、ひたすらに何かを訴えて1日中泣く息子…。
 主人は激務で、家にいる時間も少なく、話し相手がいない状況。

 気づけば完全にキャパオーバーでした。自宅で真っ昼間に、まだ生後1カ月の泣いている息子を抱きながら、息子より大きな声を上げて泣いてしまいました。「ちゃんとしたママじゃなくてごめんね」という気持ちの一方、「泣くことが少ない、育てやすい赤ちゃんがよかった」なんて思ってしまう自分に、気持ちが深く落ち込みました。

 自分で気持ちの整理ができなくなったため、ついに
 「良いママになれなくて辛い」と、主人に相談。私の様子が、いつもと違うと心配してくれた主人が
 「2人でゆっくり過ごそうか」と、すぐに寄り添ってくれたのが幸いでした。

話すことで楽になった

写真AC

 主人は、同じ県内に住む義母に息子を頼み、2人だけでランチに連れ出してくれました。出産してから赤ちゃんとずっと2人でいた私にとって、外を歩くだけでも気分転換に。また、週に何回か実母が来てくれるようにもなり、話し相手になってくれたり、息子のことを見てくれたりしました。

 私は「保育士だから」と1人で抱え込み過ぎていたことが原因だと実感。「頼れるものは頼っていいのだ」と気がついてからは気持ちが楽になりました。家族に会うのはもちろん、支援センターに行くこともありました。

人に頼ることも大切

 子どもにとって、近くにいる大人の心身が健康であることは、成長に良い影響を与えると思います。保育士をしていた時に当たり前だったことに、どうして気がつくことができなかったのでしょう。
 しかし、あの時の私もまた、生まれてきた赤ちゃんに必死だったのです。

 今では、私も2児のママ。2人目の出産時は1人で抱え込むことをやめ、主人に育休を勧めるほどに、人に頼ることが上手になりました。

(ファンファン福岡公式ライター / Mina)

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