長男が小学校5年生、次男が幼稚園の時に、私達家族は200世帯ほどのマンションに住んでいました。マンションの下の階の人に、「子供の騒音がうるさい」と苦情を言われた時のエピソードです。
うるさいと言われても…
ある日、部屋の呼び鈴が鳴り玄関の扉を開けると、下の階に住む50代後半位のご夫婦と、管理人さん、更に見慣れない老夫婦が立っていました。
ただならない気配に戸惑っていると
「お宅の息子さん達の騒ぎ声や走り回る音がうるさくて、下の階の方が迷惑しているそうなんですが…」と、管理人さんに告げられ、意味を理解するのに時間がかかりました。元気に走り回る子ども達なら、下の階に迷惑をかけているのではと、普段から気にしていたと思います。
けれど当時長男は受験のため、小学校から帰ると塾へ直行、家ではお風呂に入って寝るだけの生活。次男が夢中になっていた遊びは、おままごととブロックでした。ですから、
「うるさい!」と苦情を言われても、それ以上静かに過ごす方法など思いつかなかったのです。
我が家は3階、苦情を言って来たのは2階、見慣れない老夫婦は1階の人でした。
我が家の音が、1階まで響いている? マンションを購入する際に、床は防音フローリングにリフォームしてあるのに?
本当にうるさかったのは誰…?
管理人さんによると、最初は1階の夫婦が2階の生活音がうるさいと言い出したそうです。しかし2階の子どもは、もう成人しているのでうるさいはずがないと言い、両家族で揉めるようになって10年経つとのこと。
それが急に、2階の夫婦が
「小さな子どもたちがいる3階の音が1階に響いているに違いない。」と、言い出し、我が家に注意するよう伝えに来たらしいのです。
しかし1階の夫婦は、響いているのは子供の騒音ではなく、「ドン!」という、大人がわざと出している音だと言います。 何と私の目の前で、両家族が言い争いを始めました。私はそれまで揉めている事情には気付いていませんでした。
「男の子が2人もいるからうるさいはず。」と言われましたが、10年前からと言うなら、次男が生まれる前から揉めていたということになります。
2階の人は、何としても騒音を我がやのせいにしたかったらしく、その後は少しの物音で飛んでくるようになりました。生活音を全く出さずに生活するのは不可能です。掃除機をかけるのも、廊下を歩くのも、ビクビクし、うっかり物を落とす度 「下の人が飛んで来るのでは?」とハラハラです。
結局、そんな生活に音を上げて、私達は引っ越すことに決めました。今思うと、2階の家族は文句を言われた事が腹立たしくて、自分の下の家族にわざと嫌がらせをしていたのではとも思います。
その出来事をきっかけに交流するようになった1階の夫婦は、私にはとても穏やかな人で、引っ越しが決まると残念がって下さいました。一方、2階の家では来客が多く、大勢でお酒を飲んでいるのか週末の夜遅くまで大声で騒ぐ声が響いていました。
騒音問題の難しさ
騒音問題の難しさは、自分で出している音の大きさを自分では知ることが出来ないことです。自分では気が付かなくても人に迷惑をかけているかもしれないし、自分の音が迷惑なのではと過度に敏感になってしまうと、精神的にまいってしまいます。
また、生活音について注意された時、気をつけようと思う人と、腹を立てて更に嫌がら背をする人がいることを知りました。近所に住む人は選べません。住宅購入には、様々なリスクがあるなあ…とつくづく思います。
(ファンファン福岡公式ライター/Kitakitune)