【旅リポ】季節のフルーツと名酒を堪能! 熊本県北・玉東町と和水町を巡る旅―1日目

 コロナ禍を経て、“ちょっとそこまでの旅”や“国内を再発見する旅”が注目されています。そんな中、熊本県北の玉東町(ぎょくとうまち)と和水町(なごみまち)を巡る「タマナーズリアルツアー〜地酒と季節のフルーツを味わう旅〜」(主催:玉名圏域定住自立圏 観光分科会)が11月12、13日に実施されました。5組10人が参加した、同ツアーの様子をファンファン福岡編集部がレポートします! まずは1日目。季節のフルーツが実る果樹園や全国的に注目されている日本酒「産土(うぶすな)」が生まれる酒蔵を訪ねました。

目次

玉名市の菊池川河川敷公園からバスで出発

 「タマナーズリアルツアー〜地酒と季節のフルーツを味わう旅〜」は、熊本県北の玉東町と和水町を1泊2日で巡るツアー企画の第1弾。参加したのは、LINE公式アカウントのTamaners(タマナーズ)での募集に応募した親子、夫婦、ファミリーなど5組10人です。 ※Tamaners(旧玉名地域ぐらし)…熊本県北玉名地域のイベント情報を届けるLINE公式アカウント

「きょうはよろしくお願いします!」

 集合場所の菊池川河川敷公園(熊本県玉名市)へは福岡市・博多駅から車で約1時間15分。九州新幹線を使えば新玉名駅からタクシーで約5分です。ここで参加者のみなさんと顔を合わせて出発式。ツアーのナビゲーターは、玉名市在住でイベントMCやテレビ番組のリポーターなどで活躍している種子島奈里(なり)さん。9月に開催されたTamanaersのオンラインツアーでも司会を務めたそうです。

種子島奈里さんと一緒に出発~

 さあ、みんなでバスに乗り込んで出発です! 

月読み自然栽培「にしだ果樹園」でキウイ狩り

 最初に訪れたのは、「月読み自然栽培」なる育て方で果実を生産している「にしだ果樹園」(玉東町)。ここで一行は、11月中旬から下旬に旬を迎えるゴールデンキウイの収穫を体験しました。

果樹園オーナーの西田淳一さんの話を聞きます

 月の満ち欠けを指標にして収穫や草刈り、剪定(せんてい)などをするのが「月読み栽培方法」。農薬や肥料を使わずに虫や動物など自然循環を利用した自然栽培の一つです。

国産キウイの収穫ができるのは貴重な体験です

 果樹園のオーナーの西田淳一さんは「古くから月と農業には密接なつながりがあり、月の引力と地球の重力が樹木内の栄養分や水分量に変化をもたらすと考えられています。月の満ち欠けのタイミングによって作物のケアをすることで味などに大きな影響を与えると考え、試行錯誤しながら独自の月読み自然栽培を実践しています」と話します。

収穫したキウイ1kg(約10個)はお土産として持ち帰ります

 西田さんの話の後、みんなで一斉にキウイを収穫。その後は果樹園で追熟させて食べ頃になったキウイを試食しました。 

追熟させて食べ頃になったゴールデンキウイを試食。まるでジャムのようにとって甘い♪

 「にしだ果樹園」では季節によってミカン、モモ、レモンなど、約30品目の月読み果実を栽培しています。こだわり抜いた独自の栽培方法で全国的にも注目され、各地から注文が届いているといいます。
 一般でも収穫体験や果物購入が可能です。詳しくは同果樹園のSNSに問い合わせを。

■にしだ果樹園 インスタグラム @karaku7110

業界や日本酒ファンが注目する話題の「花の香酒造」へ

話題の「花の香酒造」へ! 顧問の玉利博之さんが迎えてくれました

 続いて向かったのは、1902年創業の老舗酒蔵「花の香酒造」(和水町)。昔ながらの日本酒造りの伝統技を受け継ぎながらも、積極的に新たなチャレンジを取り入れている、全国的に話題にのぼっている酒蔵です。

 顧問の玉利博之さんと一緒に、蔵の中を見学。昔の写真を交えながら酒造りの工程が展示がされていて、今では珍しい吉野杉を使った木樽醸造の様子も見ることができました。

日本酒造りの伝統を知るいい機会に

 酒蔵見学の後は、心待ちにしていた(笑)試飲体験です。この日は「花の香スパークリング」「花の香 純米吟醸」「産土2021 山田錦」の3種類の日本酒を試飲できました。

試飲セット。お酒は店頭で購入できます

 どれもキリッとした飲み口の中に、ふわりと香る甘さがあり、参加者の中には「普段あまり日本酒は飲まないけれど、これなら飲める! 好き!」と話す人もいました。

美酒に思わず笑みがこぼれます

 そんな中、ひそかに期待していた「産土(うぶすな)」がお目見えしました! 各地の有名銘柄を抑えて数々の賞を受賞している本品。仕込みの技法のほか、一本ずつ手植えした稲を無農薬、無肥料の自然栽培で育てるなど米作りからこだわり、並々ならぬ時間をかけた妥協を許さない酒造りで評判を呼んでいます。

 通常、「産土」の試飲はしていないそうですが、今回のこのツアーのために玉利さんが特別に開栓してくれました。微発泡の華やかな飲み口は、まるで白ワインのよう。参加者のみなさんも驚きを隠せないようでした。

産土のための自然農法で力を発揮している「菊之進」にも会いに行きました

 玉利さんによると、米作りにおいて、今では珍しくなった馬に鋤(すき)を引かせて畑を耕す自然農法、馬耕栽培を2021年に復活させたといいます。「馬耕は日本では1955(昭和30)年ごろまで行われていました。馬は働き手としての戦力だけでなく、土の中の微生物を活発にするのにも一役買っているんですよ」。「産土」が目指す循環型農業の実現のための大事な役割を担っているんですね。

人々がカタル場所「ホステル&カフェバー HIKE」

地元で採れた野菜をたっぷり使った一皿

 夕食は宿泊場所「ホステル&カフェバー HIKE(ハイク)」のカフェバーへ。和水町の「さいき農場」(和水町)のオリジナルブランド豚「火の本豚」をメインに、地元野菜をふんだんに使った体に優しい料理の数々を堪能しました。 ※通常提供メニューとは異なります

やわらかな肉質と上品な肉のうまみが特徴の「火の本豚」

 菊池川河川敷のほとりにあるHIKEは、かつて整形外科だった建物を宿泊施設にリノベーションし、2020年5月にオープン。オーナーの佐藤充さん、陽子さん夫妻は「この場所にさまざまな人が集い、“カタル”場所になってほしい」と話します。「“カタル”とは、語るという意味の他に、熊本の方言で参加する、加わるという意味があります。そして、“HIKE”にはハイキングと引き上がるという意味があります。この場所を訪れた人と人が繋がり、新しい何かを感じて、より豊かな人生を送るきっかけになってもらえたらうれしい」とHIKEからさまざまな発信を続けています。

 参加者の中にはホステルに初めて宿泊するという人もいましたが「とても居心地がよくて楽しい!」と満足顔。HIKEにはドミトリーの他、シングルとツインの個室、ファミリールームがあり、旅のスタイルに合わせて部屋を選べるのもうれしいですね。

ホステル&カフェバー HIKE

 

熊本県北リアルツアー

 ※玉名圏域定住自立圏 観光分科会が主催するリアルツアーは2023年2月に第2弾を実施予定。募集はLINE公式アカウント「Tamaners―タマナーズ―」で配信

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問い合わせ:玉名県域定住自立圏 観光文化会
電話:092-711-5053(西日本新聞広告社内 山口)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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