義父の喜寿祝で義父母宅に集合した私たち。誕生日会では3兄妹で準備したプレゼントのほか、私たち夫婦から家族や孫たちの写真を集めて作った特注のサプライズケーキも(ケーキの準備はすべて私が担当)。夜の時間帯だったので順番にお風呂を済ませることに。その間に起きた仰天エピソードです。
久しぶりの集まりに喜ぶ義家族
義父が喜寿の誕生日を迎えました。せっかくなので皆で祝おうと、週末を利用して私たち家族と義理の妹たちが集合。昨今の新型コロナウイルスの影響もあり、久しぶりの集まりに皆とても嬉しそうで、お祝いは和やかな雰囲気で進んでいきました。
食事の後はいよいよプレゼントタイム。まずは夫と妹2人の3兄妹で購入した腕時計のお披露目です。想定外の高級そうな贈り物に驚きと喜びを隠しきれない義父。
「おぉ! これはまた高そうな時計だなあ!」と嬉しそうに身につけます。
続けて夫が
「ふだん近くでお世話になっている俺たちから、もうひとつ」と大好きな孫や家族たちの写真で作られた特注ケーキを贈呈。
「おぉ~なんだこれは! こんなことができるのか!」と見覚えのある顔写真のプリントされたケーキをじっくり眺めています。
満足そうな義父母の様子に集まってよかったと心から思った私たち。しかしこの後、想像を絶する仕打ちが起こったのです。
特注のケーキの行方は?
時刻は夜7時をまわり、当日は皆義父母宅に宿泊予定だったため順番にお風呂を済ませることになりました。
「小さい子がいるうちからどうぞ」という義母の気遣いに甘えてまずは夫と息子が入り、その後私と娘が入らせてもらうことに。
あとに義家族が控えているので、私は娘と手早く20分程で済ませました。お風呂から戻り
「お先にありがとうございました」と皆の座るテーブルに目をやると、そこにはさっきまでケーキが入っていた箱とともに、食べ進められている皆のお皿が…。義家族たちは、
「おかえり~」とお風呂から上がった私たちに声をかけたかと思えば、また楽しく自分たちのおしゃべりに戻ります。箱の中身はすでに切り分けられており見る影もありません。
ひと目で状況を察した私。
「あれっ… ケーキは… もしかして…」と言い終わるか終わらないかのところで、すかさず義母が
「ごめん~! 子どもたちを早く寝かせたほうが良いかと思って、お先に食べちゃったのよ!」どうやら小さな孫たちのためを思ってケーキを食べたという主張のようですが、もともと抱いていた疎外感もあって「あぁ、そういうことなのね…」と仲間はずれを直感。
私からの怒りの視線を察した夫が
「そうそう! 嫁ちゃんには悪いと思ったのだけど、俺も早い方がいいと思って…」と義母の肩を持ちます。表面的な理由はどうであれ仲間はずれにされたという事実にはらわたが煮えくり返る私。でもここはお祝いの席、そして何より義実家というアウェー空間。我慢しながらも
「そうですか。残りは… あるのでしょうか?」と聞くしかできませんでした。
まさかの仕打ち
「これなんだけど…」と義母がハイハイと言わんばかりに差し出したのは保存容器に入った残りものと思われるスポンジとクリームの端っこ。
注文のために昔の写真を探して加工するなど、おいしいケーキを食べながら時間を共有できることを楽しみにしていたのに、こちらが勝手に用意したものとはいえ、やってきた準備が虚しく悲しさが溢れます。
娘はケーキが嫌いなので、実質的に傷ついたのが私だけということが不幸中の幸いでした。グッと堪えて翌日、帰宅後に夫へ大激怒!
「無神経に傷つけられるからあなたの家とは関わりたくないの!」と私。
夫は
「そんな(仲間外れの)つもりはなかった!」の一点張り。むしろ
「謝っているのにいつまで責めるんだ」と大喧嘩に発展しました。
これを機に義実家とはさらに距離をとり、今まで以上に必要最低限の連絡に留めることを再徹底。後日、義母からは軽い
「ごめんねぇ」という言葉はあったものの、悪びれる様子がなかったので、私だけひそかに冷戦継続中です。義母は
「次は傘寿(80歳)だね」と次回の長寿のお祝いを楽しみにしているようでしたが、「もう二度とケーキは頼まない!」と固く心に誓ったのでした。
(ファンファン福岡公式ライター/西本結喜)