【男性不妊症】のこと 教えて、岩井先生! 〜ファンファン調査隊 医療編〜

 今、悩んでいる人が少なくないという「男性不妊症」についてファンファン調査隊が取材。福岡泌尿器・リプロクリニック院長、岩井秀憲先生に聞きました。読者の「気になる」を追っかけるファンファン調査隊・医療編を届けます。

目次

3人に1人が悩んだ経験あり。男性原因の不妊は約48%

不妊で悩む人はどのくらいいるのですか?
 男性の3人に1人が悩んだ経験を持ち、男性が原因の不妊の割合は約48%。10人に1人が治療を受けています。

原因はどんなことなのですか?
 精巣の血流悪化、ホルモンの異常、炎症、新型コロナウイルス感染などが一因です。生活習慣に問題があったり、糖尿病やぼうこう炎が関わっていたりすることもあります。一番多いのは精巣の血流が悪化する「精索静脈瘤」という症状で、約35%を占めています。

主な治療方法は?
 「精索静脈瘤」の場合は手術をします。静脈の逆流防止弁が障害されている箇所を切り、2㎝くらいの傷で手術ができます。麻酔専門医のもと、全身麻酔(眠って意識がない状態)での日帰り手術が可能です。ホルモンの異常が原因ならば漢方薬などの内服薬を処方します。

検査結果はメール通知可、オンライン診療も

検査内容や所要時間を教えてください。
 基本的には血液・尿・精液の検査、エコー検査で30分程度。検査項目を絞ることもできます。メールで結果通知するので多忙な人でも負担が少ないと思います。
 さらに、当院の誰とも顔を合わせずに済む“自宅で精液検査”という方法もあるんです。オンライン予約後、自宅に検査キットが郵送されます。検体を当院の所定の場所に投函してもらい、結果はメールで説明します。

夜の9時まで診療を受け付け

どんなきっかけで受診する人が多いですか?
 奥さんに勧められて受診する人が大多数です。「検査=治療」ではなく、安心のために受診するケースもあります。診療は夜の9時まででき、オンラインでも受け付けています。

 不妊の夫婦の中には、セックスで悩んでいるケースがものすごく多いです。夫婦で来院されることも多く、その悩みも聞いています。奥さまに席を外してもらって話すこともありますね。

「妊活」をする男性が日ごろから心がけることを教えてください。
 たばこはやめましょう。精巣が酸欠になります。週に3日・1日30分程度の運動をすすめます。デスクワークで座っている時間が長いとよくないです。たまに立った状態でパソコン作業をするなどしてください。サウナや長風呂もやめましょう。精巣の温度上昇を避けるためです。携帯電話をズボンのポケットに入れるのは厳禁。電磁波の影響を受けるといわれています。

「まずは興味を持ってもらえたら!」(岩井先生)


 検査結果は血液検査で約1週間、精液検査のみだと約1時間で分かります。まずは興味を持ってもらえたら。一度、気軽に受診されてください!

岩井秀憲院長

 福岡県大牟田市出身。不妊症で悩んだ経験から生殖医療に貢献することを誓い、勉強と研さんを重ねる。原三信病院不妊外来を再建後、受診しやすく仕事帰りの夜間も受診できるようにと、2021年「福岡 泌尿器・リプロクリニック」を開業。

福岡 泌尿器・リプロクリニック

診療科目 男性不妊治療外科、泌尿器科、麻酔科
住所 福岡市中央区今泉1-13-21 フィルパーク福岡4階
電話 092-401-1085
診療時間 10:00~16:00、18:00~21:00(火曜の10:00~16:00は原三信病院での診療)※日曜、祝日、月曜、休診
アクセス 西鉄福岡(天神)駅から徒歩約2分、地下鉄天神南駅から徒歩約3分

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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