コンパクトに!おしゃれに!現代のライフスタイルに合わせて進化「注目集める最新ひな人形」

 3月3日は桃の節句。初節句を迎える女の子に「どんなひな人形を贈ろうか」と迷っている人も多いことでしょう。子どもの災厄を紙やわらでつくった小さな人形に託し、川や海に流してはらい清め、無病息災を願う「流しびな」がひな祭りの起源と言われています。

 その後、時代とともにひな祭り、ひな人形も姿を変えてきましたが、わが子の健やかな成長を願う親の心は今も同じ。日本古来の伝統の技で親子の絆をつむぐ現代のひな人形について、福岡の老舗「人形の松屋」代表・大松忍さんに聞きました。

宝想雛 博多織 大  16万9,400円(サイズ:間口35×奥行22×高さ35cm)
宝想雛 博多織 小  12万6,500円(サイズ:間口25×奥行22×高さ35cm)
目次

コンパクト化したひな人形、質は大きく向上

 ひな人形が今の形になったのは江戸時代のことです。和から洋へと生活スタイルはすっかり変わりながらも、ひな人形は今も大切に受け継がれています。かつては七段飾り(15人飾り)が一般的でしたが、今は男びなと女びなだけの「親王飾り」が大半です。

 少子化の時代、初節句を迎える子どもが減っている上に、主流が15人飾りから2人飾りに変わって、ひな人形も大量生産から多品種少量生産へ。作り手が、一つ一つ時間をかけて制作することで質は大変向上しています。

松屋 代表取締役 大松忍さん

人形も道具も個別発注、「松屋にしかない」オリジナル商品を開発

 当社は販売小売店ですが、商品のほとんどはオリジナル商品。日々、さまざまな情報や世の中の動きにアンテナを張って、来季用のひな人形について考えています。

 そして、人形はもとより道具類、花など全国の製造元に直接出向き、「こういう人形をつくってほしい」「この人形に合わせてこのような絵を屏風のここに……」と個別に発注したものを組み合わせていきます。こうして、「松屋にしかない」ひな人形ができあがるのです。

「親子縞」に「孝行縞」、博多織の献上柄に親子の絆への思いを込めて

博多織(献上柄)を採用した衣装

 特にこだわっているのが、衣装に地元・福岡の伝統工芸品「博多織」を使った商品です。

 博多織を代表する「献上柄」は黒田長政が幕府に献上したことに由来。太い縞が細い縞を挟むように配し「親が子を守る」という意味を込めたる「親子縞」、逆に細い縞が太い縞を挟むように配し「子が親を慕う」意味を込めた「孝行縞」など、親子の深い絆を表す柄はひな人形にぴったりでしょう。

 シックな色合いで、シンプルなストライプ風な柄は見た目もおしゃれ。「博多織・献上柄」は「松屋のひな人形」の代名詞となっています。

日本の伝統工芸品の粋を集め、現代の生活空間にマッチしたデザインを

お姫様の髪飾りは東京七宝

 日本の伝統工芸と現代的デザインの融合でひな人形の新しいカタチを示すのが「貴雛PARIS」シリーズの「宝想雛」。

 伝統工芸士、柿沼東光さんとプロダクトデザイナー大沼敦さんのコラボレーションで実現した斬新な作品です。

秋田杉の柾目を使用した衝立飾り

 柿沼さんの江戸木目込人形がまとう衣装は最高級の西陣織もしくは博多織。顎紐は京組紐、冠は金沢箔、桜の玉串は東京七宝です。

 六角形の舞台がそのまま収納箱として使えるコンパクトな収納飾りタイプ。その収納箱は秋田杉で、中央には「子どもの健やかな成長」への願いを込めて成長の早い「麻の葉模様」を鹿沼組子細工であしらい、屏風は鹿沼寄木細工、蓋は紀州塗と至る所に日本の伝統工芸がちりばめられています。

収納箱にもなる飾り台

天然素材にこだわりサステナブルを追求した商品も

 SDGsの観点からほぼ天然素材を使っています。木の節目や空洞もそのまま生かし、長く飾っていただき「天然の味わい」を深めていければと考えています。

 その例外が、人形の顔。通常は石こうなのですが、今シーズン「宝想雛」の一部に、初めて焼き物を取り入れました。これでほぼ100%天然素材となり、「伝統的工芸品」認定を受けています。
 今回は西陣織タイプだけですが、来シーズンは博多織にも導入したいと思っています。

麻の葉模様

20年保証で成人するまで飾ってほしい

 成人するまで大切に飾っていただきたい、との思いを込めて、すべての人形に20年保証を付けています。

 毎年、季節になるとひな人形を飾りつけ、3月3日が過ぎたら優しく手入れして片付けます。ひな祭りは、ものを大切にする心、人に優しく接する心を養うための行事でもあるのです。

 そして、幼い頃から伝統的なものに触れることで豊かな感性を育み、本物を見極める目を養う。日本の歴史と伝統、先人の知恵を学ぶいい機会です。

 ネット通販で全国にお届けしていますが、百聞は一見にしかず。お近くの方は、ぜひ松屋各店へおいでください。きっと、皆さんの心を打つ人形に出会えますよ。

年明けは「人形製作実演会」の開催や、期間限定ショップのオープンも

人形の松屋

営業時間 10:00~18:00
店休日 12月31日、1月1日・2日休み 以降は5月5日まで無休

本店 太宰府市青葉台3-26-7 TEL 0120-930-393
福岡西店 福岡市西区福重4-3-21 TEL 0120-967-953
唐津店 佐賀県唐津市和多田本村4393-4 TEL 0120-947-635
大分店 大分市二又町1-4-7 TEL 0120-976-798

ホームページ https://www.e-matsuya.co.jp/
オンラインショップ https://shopmatsuya.thebase.in/

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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