生後半年の息子を抱っこしてスーパーで買い物をしていたときのこと、男性の神対応に感動しました。見知らぬおばさんに話しかけられ、私はいつものように愛想よく対応していました。しかし、このおばさん、話が終わらない…! おばさんからどう逃げようか考えていたとき、スマートな救世主が現れたたエピソードです。
おばさんの話が止まらない、逃げられない…!
抱っこ紐の中でご機嫌にしている息子と共に、スーパーで買い物をしていた私。突然、
「かわいいね」と笑顔のおばさんに話しかけられました。子どもを連れていて知らない人に話しかけられるのは慣れっこなので、
「ありがとうございます」とニコニコしながらおばさんに対応しました。
いつもなら長くても1分くらいの会話で解放されるので、
「いくつ?」
「男の子? 女の子?」と聞いてくるおばさんに、愛想よく丁寧に答えていた私。おばさんが質問し終わり、そろそろ終わりかなと思い
「それじゃあ…」と立ち去ろうとしたときです。
「うちにもね孫がいるんだけど、この子より少し大きいくらいかな? かわいくてね…」と話が続きました。おっと、まだ続くんかい! と少し驚きながら
「そうなんですか」
「素敵ですね」と知らないおばさんの孫の話に相槌を打っていたのですが…。
いくら聞いても聞いても、おばさんの話は終わる気配がありません。スーパーで出会っただけの初対面の私に、延々と会ったこともないお孫さんの幼稚園の話やら家族の話をしてくるおばさん。最初こそこちらもニコニコして聞いていましたが、だんだんと私の顔もひきつってきました。
途中何度も
「すみません、これで…」とその場を離れようとしても
「そうそう、娘の孫がこれくらいのときにはね…」と聞く耳を持ってもらえず、私は「はぁ…」とその場で耳を傾けるしかありません。このとき息子はお昼寝した後でお腹もいっぱい。ご機嫌でぐずることもなく、その場を離れる理由になりません。
「すみませーん」と割って入ってきた男性
どれくらい時間が経過したのか分かりません。もういい加減にしてくれ…。と思い始めたとき、チラチラとこちらを見ている若い男性がいました。私たちが立ち話をしてふさいでる棚に用があるのかな? と思って移動しましたが違うようです。男性は何度もぐるぐると店内を回ってこちらを気にしているように見えました。
なんだろう? と気にしていると、ずんずんと男性がこちらに向かって歩いてきます。そして
「すみませーん」と私とおばさんの間に体をねじ込ませるようにして、商品に手を伸ばしたのです。
おばさんと距離ができた今がチャンス! と思った私は、
「あ、すみません! それじゃあ失礼します!」とその場から離れました。
やっぱり助けてくれたんだ…!
まだ話足りないような顔のおばさんを背に、手早く買い物を終わらせレジに並ぶと、前に並んでいたのはさっきの男性。会計後、商品を詰める台のところで一緒になると、男性はこちらに気づいてペコリと会釈しました。
思わず
「あの、さっきはありがとうございました」と小声で言うと、男性はパッと明るい表情になり
「あ! よかった! 困ってるのかなと思って…。でも知り合いだったらどうしようとも思って、あんなやり方しか思いつかずにすみません」と小声で返してくれました。
やっぱりわざと間に入ってきたのか! と確認でき、周りにあのおばさんがいないことを確かめてから
「いえ、本当に困っていたので、本当に本当に助かりました」とお礼を言うことができました。
男性は最後まで
「そんなそんな、大したこともできずにすみません」と言っていましたが、ずっとこちらを気にして「何か自分にできないかな」「困ってるのかな」と考えて気にしてくれていたことがとてもうれしく思いました。
おばさんの話が終わらずに困っているといった状況は、傍から見たら助けに入るか否か判断に困るところだと思います。その状況を「まあ大丈夫だろう」とスルーせず、精一杯の行動をとってくれた男性には本当に感謝しました。
その後、そのおばさんには遭遇していません。もしまた話しかけられたときは、最初から「急いでるので!」などはっきり態度で示そうと思っています。
(ファンファン福岡公式ライター/K)