1月もあっちゅう間に終わりか 「サ日記」

 ごぶさたしてます。家猫のサニです。

 おれの住んでる福岡でも雪が降ったりして寒い日が続く。九州を南国と勘違いしてる人もいるが、福岡市は北向きに日本海に面しているから、冬の寒さはけっこう厳しいぞ。でも、先日年が明けたと思ったらもうじき2月。春まであとひと月の辛抱。外で暮らす猫たちは、納屋のわらの中にもぐりこんだりして寒さをしのいで暖かくなるのを待っている。

 うちにかけてある地域猫のカレンダーを毎月分紹介していこう。上は、「福岡ねこともの会」さんのだ。

  こちらが、「ピースキャット」さんの地域猫カレンダー。

  どちらも、福岡県内で地域猫活動をされる団体だ。毎月いろんな味のある猫さんが登場するから、猫好きにはたまらんよ。

 おれとチョビは、相変わらずトムとジェリーのように、「仲良くケンカ」しながら、暮らしている。チョビは去年の12月でこの家に飼われて1年が経ったというのに、人間にはなかなか慣れない。ようやく最近、たまに抱っこされるようになったが、身体を硬くして気を許さない。

 「懐かん」と飼い主を嘆かせるチョビだが、この猫つぐらを気に入って活用することに関しては、飼い主に喜ばれている。

 2万円くらいかけて、新潟か長野かの農家から取り寄せたのに、おれが来る前に居たみぃさんもおれも全然入ろうとしないので、メルカリに売りに出してたくらいだが、ようやくチョビが寝床として愛用し始めた。ただ、中に入ってるときに飼い主がのぞき込むと、「シャーッ」と火を噴くように威嚇するのが、悪い癖だ。

 チョビは若いせいか、だいたいいつも目をランランとさせて、しっかり起きていることが多い。おれはトシとともに眠る時間がだんだん増えていってる。

  われながら、起きていても瞑想なのか寝ているのかわからん状態になっている。

 近所の連中も寒さに負けず元気だ。うしは、このヤクルトの箱がお気に入りだ。「ヤクルト1000はおれが守る」と言ってるようで頼もしい。

 到底、器量の良い顔とは言い難いが、「ブサ可愛い」というのか、年賀状のお礼を書いて来られた読者の中にも「うしちゃんが気になります」という方がいた。

 しかし、どうやったらこんなデカい図体になるのか。

 チョビパパもヤクルトの箱の前に座っているが、これはたまたまだ。チョビによく似ているから勝手に「パパ」呼ばわりしているが、案外きょうだいなのかもしれん。それは誰にもわからんが。こいつもわりとからだが大きいが、うしがいると、おそれをなして近づけない小心者だ。

 このクロは大勢やって来るいろんな黒い猫の中で一番元気がいい、というか「ニャアニャアギャアギャア」と騒がしい。半年ほど前に最初に現れたときは子猫だったが、ずいぶん大きくなった。双子(ほんとは他にもいりのかもしれないが)の兄弟がいて、そっちはこのクロより少しふっくらしている。二匹とも誰かが耳をカットしていて、立派な地域猫だ。

 たまに顔をだすのが、この「まめもも」だ。不思議な名前だが、元々近所に「まめ」という飼い猫がいて、それによく似た別の猫のことを「まめもどき」 と呼んでた。で、それがいつの間にか「まめも」に短縮され、最近登場したこいつは、その「まめも」に似ているということで、「まめももどき」、略して「まめもも」になったというわけだ。ややこしいだろう。

 おれが来る前は、このあたりは、このまめもものようなキジトラ柄の猫が多かったらしい。みぃさんもそうだった、と聞いた。それにしても、こいつの長いしっぽがうらやましい。おれとチョビは、しっぽが短くてカッコ悪いと言われる。心無い飼い主は、「ダサしっぽコンビ」とまで酷評しやがる。

 たしかにしっぽは短いかもしれんが、おれの身体の模様はシルバーでなかなか希少だ。この界わいでは最も気品のある風格を備えていると言って良いだろう。

  チョビもそんな立派なおれを尊敬しているからこそ、弟子入りして来た。

  戸の開け方も覚束ない、まだまだ未熟者だが、おれも老体に鞭打って、チョビの教育係を務めて行こうじゃないか。

  来月2月もよろしくニャ。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

福岡市南区在住。サバトラ柄。熟年オス猫。雑種だが、アメショーの血が入っていると思っている。
ふてぶてしさが身上の甘え上手。
推定5歳か6歳の頃、今の飼い主宅に上がり込み飼い猫に。それ以前は不明だが、数百メートル離れた公園にいたとの不確かな情報。おととしの暮れ、孫娘のようなキジ白猫チョビが弟子入り。
世の中の動きに敏感なものの、とくに行動はしない。

目次