「株主優待」がメディアでもたびたび取り上げられるようになり、株式投資をしていない人も、何となくその制度について見聞きしたことがあると思います。しかし、自分で実際に株取引をしたことがないと、勘違いする人もいるようで…。好意で譲ったものの、何となくもやっとした体験についてお話したいと思います。
人気のテーマパークのパスポートが余った!
あくまで余剰資金の範囲に限定してですが、資産運用の一環として、私は株式投資をしています。
株主優待で届く商品はささやかな楽しみですが、遊園地や航空券等のチケットは期限があり、使わなければ唯の紙切れになってしまいます。そこで自分が使わない時は、誰か必要な人がいれば譲っていました。
数年前のことです。人気のテーマパークのパスポートが余っていたので、ママ友の一人Aさんに声をかけてみました。すると
「是非一緒に行きたい!」との返事が。そこで親子2組で出かけることになりました。
私は電車で出かけるつもりでしたが、Aさんが車を出してくれるという話になり、当日の朝、迎えに来て下さいました。 Aさんもとても張り切っていて、楽しい一日を過ごせると思って出かけたのですが…。
帰りの車中で驚きの出来事が
テーマパークの開園時間からアトラクションを存分に楽しみ、夕方頃には子供たちも疲れはじめたので帰宅することにしました。その車中でのことです。
「駐車料金とガソリン代合わせて3000円位だから、1500円でいいよ。」と、Aさんがいきなり言ってきたのです。一瞬何のことか分からず、私はポカンとしてしまいました。
車を出してくれたのだから、駐車料金とガソリン代を割り勘にするのは当然? 相手が好意で車を出してくれているものと思い込んでいた私が図々しいの? という考えが頭を巡りましたが、何となくバツが悪い思いを抱えながら言われた金額をお支払いしました。
だけど…。そのテーマパークのチケット4人分は、普通に買えば数万円のハズ…。
彼女の中では、私が株を購入したことで手に入れたチケットは「無料で手に入れたのだから、チケットの価値は0円」という計算になっているのでしょうか?
思えば、今までも優待で届いたキャラクターのおもちゃを欲しいと言われ、譲ったことがあります。その時もお礼などは頂いたことはありませんでした。
株式投資にはリスクがあり、大儲けすることもありますが、思わぬ値下がりや経営破綻で、株主優待が結局とても高く付くことだって珍しくはありません。 それに、そのチケットを転売すれば、そこそこの金額で売れるものです。
チケットを譲って喜んでもらえたと思っていたのに、「無料」だから付き合ってくれただけ、なのだとしたら、他の人を誘えば良かったなあ… と、居心地の悪い帰り道になりました。
Aさんから衝撃の一言
更に、車中でAさんからダメ押しの一言が。
「娘ちゃんの着てる服、着なくなったらお下がり貰えない?」
当時私は子ども服を選ぶのが楽しみで、自分の服は節約しても子ども服だけはちょっと贅沢していました。 「どうぜタダなんだから…。」という彼女の心の声が聞こえた気がして、
「ごめんなさい。他の方にお譲りする約束があって…。」と、思わず断っていた私でした。
その後、「また誘って欲しい。」とAさんに何度か催促されましたが、それ以降は余ったチケットなどは金券ショップで売ることにしました。
好意で譲っても、それが当たり前になり、さらに要求がエスカレートするのであれば、リスクがあるのだと学習したのです。
(ファンファン福岡公式ライター/Kitakitune)