福岡市中央区渡辺通にある【さくらクリニック博多】、平野 英保院長に免疫力とがんについてインタビュー
免疫力が極度に低下した時体に潜むウイルスが動き出す 現在の死因の上位を占める「がん」。戦前は5万人だったがん患者が2015年には37万人を超え、今も増え続けています。がんとは、体をつくる正常な細胞が何らかのきっかけにより変化し、異常増殖(転移)することですが、なぜそれが起こるのか、私はストレスによる免疫力低下と発がん性ウイルス遺伝子の組み込みが原因の可能性があると考えています。 主なものはヘルペスウイルスの一種である「サイトメガロウイルス」や「HHV-6(ヒトヘルペスウイルス6)」。人間の半分以上に感染経験があり体内に潜んでいると言われる「EBV(エプスタイン・バール・ウイルス)」、子宮頸がんなどで知られるようになった「ヒトパピローマウイルス」などで、ほとんどが性交やキスなど唾液からの感染などが認められています。健康な人でも2種類以上のウイルスをもっています。免疫力がしっかりしていれば心配ありませんが、二人に一人は、免疫力が低下しています。 ウイルス性以外のがんの原因はアスベスト(石綿)によるアスベスト肺がんがあり、吸い込んだアスベストの繊維の刺激により肺にダメージを受け、がん化します。 免疫力の向上でがんの発生を防ぐ EBVを例にすると、まずウイルスが喉など呼吸器に入り高熱が出ます。免疫力が落ちていると体中で増え、細胞の核のDNAの中に入り込み発がんに繋がります。しかし、白血球群が行うアポトーシス(プログラムされた細胞の死)により、そのウィルスは消滅していくものがほとんどです。人間が生きていくうえで、ウイルス感染を完全に防ぐことはできませんが、がんの発生を防ぐための「免疫力向上」は健康な人だけでなく、すでにがんを発症した人にも大変有効な対策です。これはコレステロールを減らす食事とストレスによるものが大きく、当院の治療方針および生活指導もそれに焦点をあてています。
自分がどんながんになるか その可能性を知る腫瘍マーカー 当院は1カ月ワンクールとして、3〜20カ月かけて主に内服で免疫力をあげていく治療方法です。イノシンやノニジュースなども使い、がん細胞やウイルス感染細胞を殺す「NK(ナチュラルキラー)細胞」を活性化させます。その間に、グルタチオンを多く含む食品や、ビタミンB1やパントテン酸をたくさん含んだ中性脂肪を分解するビタミンを多く摂取するよう指導します。なお、コレステロールやナイアシンを多く含む食品はNGと考えます。 がんを抑制するのは、このように適切な食品選びとストレスのない生活ですが、当院では血液検査で24種類のがんをチェックする「腫瘍マーカー」をおすすめしています。この検診を受けることで自分にいつ頃どのがんが発生する因子があるのかを知ることができ、数年後の自分の健康を守ることも。まずは医師に相談してください。
■POINT■ 免疫力の向上は、元気な時もがんにかかってからでも急務 「何となく好きなものだけ食べる」のではなく、元気に生きるために免疫力を高める生活や食べ物を選ぶことが一番の対策。同じ食材でも、罹患前と後では加工の仕方にも違いが出ます。ぜひ一度相談に来てください。 さくらクリニック博多 電話:092-986-3351 住所:福岡県福岡市中央区渡辺通1-1-1サンセルコビル1F 休診日:第3火曜日 診療時間:月~日 10:00~18:00 ※完全予約制・自由診療 ※水・木・土は19:00まで(受付は30分前まで)