九州国立博物館(福岡県太宰府市)の〝埴輪牧場〟が「かわいい」とSNSなどで話題です。博物館で〝放牧〟されている動物の埴輪が見られるのは、3月19日(日)まで開催中の特別展「加耶」の会場です。今回の「九州国立博物館だより」では、同展の見どころを中心に、今後の特別展情報も紹介します。
【特別展】「加耶」 <3F>
会期:開催中~3月19日(日)
会場:3階特別展示室
観覧料:一般1,700円、高大生1,000円、小中生600円
大好評開催中の特別展「加耶」は、二部構成。第一部では加耶の歴史、第二部ではアジア各地から日本に渡ってきた「渡来人」の足跡をたどります。
今回は、第二部から渡来人が倭(古代の日本)にもたらした新技術の一部をご紹介します!
新技術①「牧場で馬や牛を育てる」
馬や牛がいなかった倭に渡来人が馬や牛を連れてきました。さらに、馬や牛を増やし育てる技術も伝わりました。
■千葉県指定文化財「渡来人形埴輪」
これが今話題の〝埴輪牧場〟
実は牛の埴輪も1頭展示されています。
動物園の飼育員さんのコメントのような作品キャプションにもご注目ください。
■四條畷市指定文化財「馬形埴輪」
■四條畷市指定文化財「仔馬形埴輪」
ショートムービー「仔馬の大冒険」はコチラ!
■新技術②「かまどをつかった料理」
倭人に「食」の革命を引き起こした渡来人。かまどを備えた住居や蒸し料理に用いる甑(こしき)が日本各地に広がりました。
■移動式かまど
今後の特別展は…?
アール・ヌーヴォーのガラス―ガレとドームの自然賛歌―
会期:4月18日(火)~6月11日(日)
日本美術から多大な影響を受けて誕生したアール・ヌーヴォー。この運動をけん引したガラス作家エミール・ガレとドーム兄弟による名品の数々を、世界屈指のコレクションを誇る北澤美術館所蔵品を中心にご紹介いたします。
■フランスの薔薇文花瓶(ロサ・ガリカ)
■アネモネ文花瓶
憧れの東洋陶磁―大阪市立東洋陶磁美術館の至宝
会期:7月11日(火)~9月3日(日)
世界的な東洋陶磁コレクションを擁する大阪市立東洋陶磁美術館。本展では、その貴重な所蔵品から中国・韓国陶磁の名品を公開し、第一級の絵画や考古資料を合わせて、日本文化の形成に大いなる影響を与えた東洋陶磁の歴史をご紹介します。
古代メキシコ―マヤ、アステカ、テオティワカン
会期:10月3日(火)~12月10日(日)
多様な自然環境と共に生き、暦や文字など高度な都市文明を生み出した太陽の国メキシコ。アジア初公開となるレイナ・ロハ(赤の女王)のマスクをはじめ、日本美術とは異質で鮮烈な印象を与える古代メキシコ展の決定版です。
生誕270年 長沢芦雪
会期:2024年2月6日(火)~3月31日(日)
奇想の画家・長沢芦雪の画業をたどる本格的な展覧会が、いよいよ九州に初上陸。重要文化財の龍・虎図襖(和歌山 無量寺・串本応挙芦雪館所蔵)など、大胆かつ卓越した筆遣いから生み出された芦雪の名品の数々をご紹介いたします。
■重要文化財「虎図襖」
テレQ「太宰府・九博 散歩道」放送中!
第6回は、3月18日(土)22:09~です。「テレQ7ch」をチェック!
<協賛社>太宰府天満宮・かさの家・積水ハウス・英進館・永利牛乳・日本通運
九州国立博物館
住所:福岡県太宰府市石坂4-7-2(太宰府天満宮横)
営業:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館:月曜(月曜が祝日・休日の場合は翌日)電話:050-5542-8600(ハローダイヤル 9:00~20:00)
提供:九州国立博物館