教室のお母さま方に「子どもに教えにくいと感じる分野は?」とお尋ねすると、「理数系は苦手です」という答えが多いように感じます。 そこで今回は子どもの「算数のセンス」の育て方についてお話をさせていただきます。 カギは、日常にあります。 教材も、日常にあります。 まずは、1~2歳の頃の関わり方をご紹介します。
はじめは、「空っぽ・いっぱい・多い・少ない」などから
数字や計算だけが「算数」ではありません。 1~2歳は数の世界の入り口にいる年齢です。 生活の中で「空っぽ」「いっぱい」「たくさん」「ちょっと」「多い」「少ない」などの、量に対する意識を育てる言葉かけをしてあげてください。 「ひとつ」「半分」「大きい」「小さい」も同じような要素です。 ちなみに、「いっぱい」は「い~っぱい!」、「大きい」は「おお~っきい!」など大げさな表現でするのがポイント。 言葉のもつ意味をニュアンスで教えてあげましょう。 2歳頃には判断もできるようになるので、「いっぱいあるのはどっち?」などの二択遊びもおすすめです。
数字に触れさせる
ご自宅がマンションの上の階にあれば、エレベーターに乗る機会がありますね。 このときに「〇〇ちゃんのお家は5階。5階の“5”」などと声をかけながらボタンを押したり、可能なら子ども自身に押させてあげます。 数字に目を向けさせ、さりげなく声かけをくり返していけば、自然と覚えていきます。 特に自分と関わりのある数字は覚えが早いものです。 「5階の5」「2歳の2」「3時のおやつの3」など、子どもの気持ちが向きやすいような工夫をするのも良いですね。
会話に数を入れる
「今日のおやつは、イチゴが5個だよ」 「鳥さんがいるね。1、2、3わだね」 こんなふうに、会話の中に数(量)を表す言葉を入れてあげましょう。 初めは、言いっぱなしでかまいません。 親からするとだんだん「これ何個ある?」と聞きたくなるのですが、それは子どもが数に興味をもちだしたなと思った頃で間に合います。(子どもの会話に「1個だけ」のような、数に関する言葉が出始めるなど) まずは言って聞かせるところからスタートです。 子どもは、集まったものを最初は「ひとかたまり」ととらえます。 数えて見せたり、個数を言ってあげることで「1つが集まって~個なんだ」と理解できるようになりますので、お家でも ・おはじきを数えながらペットボトルに入れる ・数えながらシールを張る ・「お母さんに2個ちょうだい」といった“ちょうだい遊び” などを遊び感覚でやってみることで、数に親しむことができます。難しいものを用意して教える必要はありません。 1~2歳は「算数のセンス」の下地作りととらえて、毎日の生活の場面で楽しく取り入れてみてください。