「夫 いなくなって欲しい」検索するほど追い込まれていた夫婦関係 変化のきっかけとは

 未亡人になりたい妻達が集まる「旦那デスノート」というサイトをご存じでしょうか。一見物騒に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、旦那デスノートをきっかけにして、夫婦円満になった例をご紹介します。

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デスノートとの出会い

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 私がこのサイトを知ったのは、今から3年ほど前になります。短気で口が悪い夫は、なかなか言うことをきかない2歳の娘に対して
 「うるせえ!」
 「早くしろ!」と大声で怒ったり、私と喧嘩になると物を投げたりするため、だんだん「夫がこの世からいなくならないかな」と思うようになっていました。
 人の死を願う自分も嫌でしたし、このままでは子どもに悪影響を与えると思い、「離婚しようか」と本気で悩んでいました。

 ある日、「夫 いなくなってほしい」などのキーワードでネットサーフィンをしていたら、旦那デスノートのサイトに辿りつきました。会員登録をすると自分のスペースが設けられ自由に文章がかけるようになります。投稿は他の会員からも見られて、「いいね」がつけられたり、コメントを残したりできるようでした。

 当然のことながら、書きこみをしたからといって漫画のように夫が死ぬということはありませんが、私以外にも夫にいなくなって欲しいと思う人が沢山いることに、少し安心したのを覚えています。「夫とやりあって毎回喧嘩になるくらいなら、ここに吐き出して夫をスルーしよう」と考え、その日から夫に対する不満を書くようになりました。

 私が書く「汚い書き込み」に対して、誰かから「いいね」がもらえると嬉しくなりました。
 名前も顔も知らないどこかに住んでいる主婦たちが、同じ戦場にいる仲間のように思えたのです。書き込みをしても、根本的に解決はしませんが、誰かが読んで共感してくれるということが、夫と過ごす嫌な時間を支えてくれていました。

とうとうあふれ出した不満

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 しばらくの間、夫に対する不満や文句はデスノートに吐き出し、表面上「仲が良い夫婦」が出来ていましたが、夫へのストレスは少しずつ確実に溜まっていたようです。
 
 ある日、夫が娘に理不尽に怒鳴りつけたのがきっかけで、ついにストレスが爆発! 今までデスノートに書いていた不満がスラスラと口をついて出て、夫へまくし立て、最後には
 「もうあなたなんかいらない。離婚する!!」と締めくくると夫は驚いた顔をしていました。それでも引けなかったのか
 「そうかよ!」と怒鳴り散らかして部屋から出て行ってしまいました。お互い口もきかずに数日過ぎた頃、突然夫から
 「話がしたい」と言われました。

旦那デスノートからの卒業

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 その日の夜、話し合いは夫の謝罪から始まりました。
 夫は自分の短気で口が悪いところ、大声を出してしまうところなどを反省している一方で、私の言葉や態度が冷たく、娘にかかりっきりになってしまうのが寂しかったようでした。夫の意見を聞きながら、「あの時の私の言葉をそんな風に受け取っていたのか」、「説明が足りなかったかもしれないな」など、私も反省するところがありました。

 その晩は、他に、家事の分担とやり方、育児、お金の使い方などについても、お互いの不満や考えていることをさらけ出し、時には感情的になりながらも、納得がいくまで話し合い、最後は仲直りをしました。

 話し合いのあとから、夫がいつもなら怒りそうなところを我慢していたり、荒っぽかった言葉遣いも気を遣ったりと、「変わろう」としているのがわかるようになり、私も夫に優しく接することができるようになってきたと思います。気付けばデスノートも開かなくなっていました。

 長く一緒に生活をしていると、お互いに「慣れ」や「甘え」が出てきます。いつの間にか「言わなくても伝わるだろう」と相手に察してもらうのが当たり前となり、うまくいかなければ「相手のせい」にしていた私たちですが、今回のことで「言わなきゃ伝わらない」ということを思い出すことができました。

 話し合いって大事だなと思う反面、人間だから、「話し合いなんか面倒くさい」とか、「もう疲れた」と思うことはこれからもあるでしょう。そんな時は今回の出来事や、付き合いたての頃を思い出したりして、話し合うことを諦めずにしていこうと思います。

(ファンファン福岡公式ライター/神宮寺 珠子)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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