昨年、数年ぶりに巡ってきた町内会の役員。班長を1年間務めましたが、町内会費や募金を集めに回るたび文句を垂れるご近所さんにうんざり。町内会や近所つきあいの意味を考えてしまいました。
巡ってきた町内会の役員 班長になった私
わが家が暮らす地域では、6~7年に1度の割合で町内会の役員の仕事が巡ってきます。
役員には、約15世帯ごとに分けられた班のお世話をする班長と、会計や文化など専門委員があります。わが家は昨年、くじ引きで班長を引き受けました。
班長の主な仕事は、町内会費や募金を集めたり、毎月末に地域会報を配布したり。前回は防犯委員でした。防犯に関する見回りが主な仕事で、夫が動いてくれました。
そのため、今回の班長は私が動くことに。
班長として動き始めたものの…
班長最初の仕事は、班の皆に挨拶がてら、町内会費の集金です。
「班長の〇〇です、1年間よろしくお願いします」自宅の両隣くらいは顔見知りですが、少し離れた家だと、いつの間にか住人が代わっていて驚くことも。
引っ越してきたばかりの方を町内会に誘うのも班長の仕事。けれど、若い奥さんには
「共働きで忙しいので、強制でないなら入りません」と、きっぱり断られました。
そして1年間、ブルーな気持ちにさせられたのが、退職を機に越してきた60代後半の男性Aさん。町内会には当然のように入会されたものの、町内会費は年払いです。ちなみにひと月だと数百円。ところが彼は
「年払を強いるのはおかしい!」と私に食ってかかりました。町内会で用意された領収書は年払のもの。困った私が、
「町内会長に聞いて改めて伺いますね」と言うと、
「そんなことをしたら、僕がケチと思われるだろう!!」と怒りながら私に1年分の現金を渡しました。
また秋は赤い羽根募金のお願いに回ります。これこそ強制ではなく、職場で募金したからと断る人もいます。要は自分次第。Aさんはどうするかと思ったら、
「班の他の人たちの募金額を教えろ!!」と…。断ると、しつこいの何の。強制ではないのでと帰りかけたら、引き留める。一体どうしたいの? ほとほと困って町内会長に相談しても関わりたくないのか
「まあ… 適当に付き合ってあげて」と逃げられました。
毎月の会報誌は、平日の夜に歩いて配布していました。なぜかAさんは、いつ行っても庭先に出ています。不思議に思いつつ、
「こんばんは」と声をかけてポストに入れようとすると、
「こっちへ」と手を伸ばします。それならば、翌月は手渡ししようとすると
「ポストへ入れて」と。謎に思いながら、1年間を終えました。
町内会の意味って何だろう
数年ぶりに町内会の役員を務め、感じたこと。人々の善意や協力や協働精神で成り立つ集まりが、いつしかただ窮屈なだけの存在に変化しつつある気がします。強制ではないのに見えない力で縛られたような集まり。入らないと割り切る人もいますが、一度入った以上、今さら脱退する勇気がない人も多いでしょう。
町内会という存在によって、ごみ置き場が美しく保たれたり、秩序が守られ安全に暮らせたり、色々と恩恵を受けている面もあるとは思います。
けれど、町内運動会や文化祭の参加者も減り、隣近所と必要以上につき合うことを望まない人も増えました。今後、新しく越してくる人たちが次々と町内会加入を拒否したら、町内会は存続できなくなるのかも。
いちいち文句や嫌な態度をとられた班長の仕事を終え、町内会やご近所つきあいをちょっと煩わしいなと感じるようになってしまった私。地域での気持ちよい暮らしかたについて、何だか考えさせられた1年間でした。
(ファンファン福岡公式ライター/山ナオミ)