妊娠したら気を付けたい「ウイルス感染症」について詳しくお話しします。
気をつけたい感染症
妊娠中にウイルスに感染すると、胎盤を通して胎児にも感染することがあります。非常に稀ですが、生まれてくる赤ちゃんに影響を与えてしまうこともあるため、できるだけ感染しないように注意しておきたいものです。 小児期にかかることの多い「風疹」「リンゴ病(伝染性紅斑)」「サイトメガロウイルス感染」「水ぼうそう」なども、妊婦さんが感染すると赤ちゃんに影響を与えてしまう場合があります。そのため、幼児がいる家庭では特に注意が必要です。また、妊娠中に感染すると帝王切開が検討されるものとして「単純ヘルペスウイルス」や「尖圭コジンローマ」といったウイルス感染症もあります。 今回は、これらの気をつけておきたい6つの感染症について、感染時の症状と感染を防ぐための対策について紹介します。
風疹
風疹ウイルスに感染すると、発疹やリンパ節の腫れ、発熱などの症状がでます。大人は重症化しやすく、特に妊娠中に感染すると赤ちゃんが「先天性風疹症候群」になってしまう可能性もあります。 ただし、風疹の既往歴がある人や予防接種によって十分な抗体を持っている人であれば、新たに感染することはありません。妊娠初期検査で風疹抗体検査を行ったら抗体の有無を確認しておきましょう。 もし妊娠中に感染した場合でも、妊娠20週目以降の感染なら胎児への影響はほぼありません。しかし、妊娠初期は感染しないように注意することが大切です。妊娠前であればワクチンの予防接種を受けておくことも大切です。風疹は飛沫感染するため、妊娠後に抗体がないと分かった場合は、人込みを避けたりマスクを着用するなどの予防に努めましょう。
リンゴ病(伝染性紅斑)
ヒトパルボイウルスB19型が原因となって発症し、頬が赤くなることからリンゴ病(ほっぺ病)と呼ばれています。幼少期に発症し、発熱や関節痛などが起こることがありますが、自然治癒する病気です。ただ、妊娠中に発症すると経胎盤感染によって「胎児水腫」や流産を招く恐れがあるので注意が必要です。 お腹の赤ちゃんの兄弟児がリンゴ病を発症している場合は、妊婦さんが不顕性感染(自覚症状がないが感染していること)を起こすこともあります。母子感染を防ぐためにも、一時的に実家に帰省するなどの対策を考えてみましょう。