創業50年以上の名店の秘密に迫る企画【老舗探訪】。 今回は、創業64年、「みやけうどん」をご紹介します。
創業から変わらない大釜で作るうどん 呉服町、「うどん」と書かれた提灯にのれん。年季の入った木造の建物は90年以上前に建てられました。2代目・三宅雄次郎さんと兄・正一さんが店を切り盛りするようになって、約20年が経ちました。 印象的なのは調理場にある大きな釜。ダシは大き目のとっくりに入れて湯せんし、丼と麺は湯に入れて温めます。注文してからわずか30秒。こぼれそうなほどダシが入った一杯が、湯気を立てながらやってきます。
両親から受け継いだ太麺とスープ うどんは温かいメニューのみ。麺の太さと柔らかさに驚きます。創業者の父が「太麺が好きだから」と取り入れ、今でも特注しているのだそう。 カツオとコンブをベースにしたふくよかな味わいのダシは母のレシピ。父と母で創作した逸品を変えず提供し続けています。人が集まる理由を「ただ古いからだよ」と答える兄弟。三宅一家が作りあげてきた和やかな空気とうどんの温かさに人々はひかれるのでしょう。 老舗のひとこと 親子、孫の代まで昔から通ってくれている人もいます。「おいしい」と言ってまた来てくれるお客にただ応えようと思って続けてきました。(店主・三宅雄次郎さん) 《みやけうどん》 福岡市博多区上呉服町10-24 TEL/092-291-3453 営業時間/11:00~18:00、土11:00~17:00 定休日/日・祝