引っ越し前の掃除と原状回復 壁と床の傷はどうやって補修する?

 春は移動のシーズンです。賃貸から引っ越す場合に気になるのは、掃除と壁や柱の傷ではないでしょうか。掃除はどこまでやればいいの? 壁や柱・床の傷を自分で修復する方法はあるの? 引っ越し前のお悩みに、お掃除スペシャリスト佐倉がお答えします。

目次

引っ越し前の掃除はするべき

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 引っ越し後に、管理会社や大家さんが部屋の状況を確認し、修理が必要かを確認します。壊れた部分や著しい汚損がある場合は、敷金が返金されないだけでなく、修理代を請求されるケースもあります。この請求を減らすためにも引っ越し前の掃除はしておきましょう。

どこまで掃除をするべき? 迷った時は契約書を確認

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 契約時の原状回復について、福岡県が公表している令和4年度版「賃貸住宅住まいの手引き(P14 ガイドラインによる貸し主・借り主の修繕分担表 参照元:https://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/10949/1/chintai_tebiki_2022_page.pdf?20220707142952)」から、一般的な例をご紹介します。賃貸契約書の記載が優先ですのでチェックが大切です。

【大家さん負担】床や壁の経年劣化の変色、家具の設置による床・カーペットのへこみ
【借主負担】掃除をしていないために起きたカビやひどい汚れ、引っ越し作業で生じた傷

壁紙の汚れは取れる?

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 経年劣化による壁紙の変色は大家さん負担ですが、落書きや、物をぶつけたすり跡などは借主の負担であることが多いです。消せる落書きや掃除で取れる汚れは落とします。

 壁の汚れは消しゴムで落とせる場合もあります。落ちない場合は市販の「壁紙クリーナー」や「落書き落とし」などを活用しましょう。

 砂壁や布・紙・しっくい・モルタルなどの壁は、汚れを落とすことは難しく、無理をすると汚れが広がることもあります。壁を破損しないよう注意が必要ですので、できる掃除にとどめるしかありません。

穴をあけた壁紙は修復できる?

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 壁に開いた小さな穴の補修は可能です。素人が補修ができるのは8cmくらいの穴までと思ってください。
 ※無理な自己補修はかえって状況が悪化することがあるので、大きな傷があった場合は大家さんや管理会社に相談するのをおすすめします。(CHINTAI情報局 参照元:https://www.chintai.net/news/2021/02/06/109388/

壁のビス穴(ネジ穴)の補修

(1)紙粘土か壁穴補修材(パテ)を埋め込む。
(2)大きな穴は、つまようじで補修材を押し込みながら形を整える
(3)平らな壁紙はヘラを使って均す。
(4)凹凸がある壁紙はつまようじを使って形を作る

 壁穴補修材にはホワイトやアイボリー・グレーなどの基本的な色がありますので、壁の色に合わせましょう。ホームセンターや100均で購入できます。

柱のビス穴(ネジ穴)の補修

<つまようじや割り箸を詰める>

(1)穴の大きさにより、つまようじや割りばしを入る大きさに削ってつめる
(2)出ている部分をカッターで削って、柱の面に合わせて平らにする

<パテで埋める>

 穴の周りが盛り上がっていれば、カッターなどで平らにする
 木材用のカラーパテの中で色の合うパテを穴埋めし表面を平らにする

石膏ボードの補修

●石膏ボードがへこんでいる程度の場合(小さな傷で破れた壁紙が残っているぐらい)

提供:佐倉玖弥

 目立たない補修が可能です。壁紙をそっとめくってへこみにパテを詰めて平に均し乾かした後、めくった壁紙の後ろにのりをつけ、パテの上に丁寧に貼り戻します。
 この方法は色の違いが出ませんので、壁紙に凹凸があれば、陰影でほぼわからなくなるケースもあります。

●壁紙の下の石膏ボードに穴が開いている場合
 リペアプレートという網状の補修プレートを穴に当て、パテでならしてから壁紙を張り替えます。インターネットで「壁穴補修セット」などで検索すると、プレート・ヘラ・パテなどのセットが見つかります。穴より大きめのプレートと今と同じ壁紙を準備することがポイントになります。

 壁の穴の周りを2回りほど大きく補修しますので壁紙が異なる場合や、経年の変色がひどい場合は補修跡が目立ちます。

フローリングの傷には?

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 木材用のカラーパテで埋めてしまうのが早いでしょう。ひっかき傷の場合は、クレヨンタイプの傷隠しが100均やホームセンターで販売されていますので、傷に塗りこむようにすると簡単です。

傷を修復して気持ちよい引っ越しを

 今回は引越し時に気になる、壁・柱・床の補修方法をご紹介しました。引っ越し時に限らず、気になる部分があれば補修しておきましょう。

(ファンファン福岡公式ライター/佐倉玖弥)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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