新年度が始まりました。子どもたちが保育園や幼稚園、小学校に進学し、ママ友付き合いに不安を抱く人も多いのではないでしょうか。2年前に知り合った、こども園のボスママの話です。お金持ちがゆえに、自分の金銭感覚を他のママたちに押し付けるような人でした。しかし、ママ友会でびっくりエピソードが起きたのです。
お金持ちママとの出会い
入園したこども園は、都市部なのに広い園庭があるため、意識高い系の家庭からも人気が高く、送迎時間帯には園の周辺には外車がずらりと並ぶのが恒例でした。
ある日、クラスメートのママTさんとお迎えの時間が重なりました。未就学児3人を育てる専業主婦で、小綺麗で誰もが憧れるママという雰囲気。
「週末に一緒に遊びませんか?」と聞かれたので、連絡先を交換して別れました。
週末、Tさんの自宅マンションに伺うと、ほかに2家族も招待されていました。モデルハウスのような150平米を超える豪邸で、未就学児8人が十分に遊べる広さです。
お昼になると、お金持ちママの旦那さんがお弁当を出してくれました。包みを見ると、高級ホテルの最上階などに入っている誰もが知る割烹料理店のもの! 特別に発注してくれたそうです。
旦那さんは代金を受け取ってくれませんでしたが、後日、別のママが調べたところ、お弁当は1折で5,000円也。旦那さんは先祖代々の不動産業を営み、海外にも物件を持っているやり手の実業家だそうです。サラリーマン家庭のわが身としては、とても戸惑いました。
価値観を押し付けまくる お金持ちママ
それからも、月に1度は一緒に遊ぶようになりました。お金持ちママがいつも話の主導権を持ち、ボスママに。
「教育費には惜しみなくお金をかけるべき」という持論のもと、自身の子どもを小学受験専用の塾や脳開発の教室に入れるだけでなく、ほかの家庭にも私立受験を猛烈に勧めてきます。
ある日、別のママが、近所の人気ベーカリーで食パンを買って、みんなに配ってくれました。ボスママは
「こういうのが流行っているのね」と驚きながら、次回会う時には、それを超える高級パンを持参してきたのです。
「わが家はこれだから!」と何食わぬ顔でパンが入った紙袋を次々と手渡していきました。
そう、ボスママは、庶民の生活を全否定する人だったのです。
天然キャラの新入りママが現れる
夏休みが終わって、ある家庭が転入してきました。ほんわかとした新入りママは天然キャラなのか、ボスママの“口撃”もなんのその。子どもにはお勉強系の習い事はさせずに自身で教えており、小学受験を勧めるお金持ちママには
「遠慮しまーす」と笑顔で宣言。
お金持ちママが買ってくる高級パンも
「わが家はホームベーカリーなので」とやんわりと断っていました。その態度が気に食わないお金持ちママは
「教育費がない家庭なのよ」などと陰口を叩き始めます。
しかし、後日。話の流れで、新入りママは元教師だったため勉強を教えるのがうまく、外科医の旦那さんは祖父の代から続く病院の跡取り息子で、お金持ちママを遥かに超える裕福な家庭だと分かったのです! 次第に陰口は収まっていきました。
ママ会の行方は?
もともとあった価値観の違いと、新入りママの登場も相まって、そのママ友会は自然消滅しました。この一件で、ママ友付き合いの怖さを痛感した私に、別のベテランママが忠告してくれました。
「学生時代や職場では、同じような考えや目標を持った人が集まりやすい。でも、ママ友は、単に子どもが仲良くなったという関係性。これまで自分の回りにいなかった、驚くような考えの人ともいるから、気をつけてね!」
ちなみに、わが家は引っ越しのため1年後にこの園を退園しましたが、噂で聞く限り、新入りママが現在ボスママとして君臨しているそうです…。退園してよかったと感じた瞬間でした。
(ファンファン福岡公式ライター / nayuka)