毎月1回、ファンファン福岡編集部が書店員さんから福岡ゆかりの本を紹介してもらう「福岡の書店員さん、君の推薦する本を読みたい」略して「福岡キミスイ本」。第2回は、11月21日にオープンする大型商業施設「マークイズ福岡ももち」内に新店舗を構える「TSUTAYA BOOKSTORE マークイズ福岡ももち店」の中小路 央さんに会いに行きました。 ※2018年11月の情報です
舞台は福岡、ほぼ無職状態のアラサー独身男が主人公
「ラブコメの法則」東山彰良 著
マークイズ福岡の2階、オープンを目前にして急ピッチで準備が進められている中、中小路さんが取り出してくれたのは、この1冊です。
―東山彰良さんの「ラブコメの法則」(集英社文庫)ですね! そうです。東山先生は当店にも近い西南学院大学(福岡市早良区)出身で、現在は(福岡県)小郡市に住まわれ執筆されています。私も西南大を出ていることもあり、東山作品はよく手に取ります。 ―内容について教えてください。 舞台は福岡。映画の評論を書いているももの、ほぼ無職状態のアラサー独身男が主人公です。シングルマザーのヒロインとは最悪の出会いをするのですが、なぜか恋に落ちてラブコメ道に。ダメ男の成長物語ともいえそうです。 東山先生が直木賞を受賞された「流(りゅう)」とはまったく路線の違う、お笑い要素全開の1冊です。…実は、弊社女性社員からは賛否両論ある一冊ではあるのですが。
―え、それはまたどういうことでしょう? まあ…上品とはいえないんですよ(笑)、何というか表現が。あまりにも男の本音というか、あけすけな部分がありますので。とはいえ、これだけ罵詈(ばり)雑言のバリエーションが書けるのは東山先生の才能だと思いますし、すごく面白いのでぜひ読んでほしいです。 歯切れのよい博多弁の会話が中心でテンポもよく、読みやすさは抜群です。天神、中洲、西通り、明治通り、博多港、糸島と身近な地名が次々に出てきますよ。 ―福岡が舞台の本というのは多いのでしょうか? 当店のオープンに際して、主に福岡市内が描かれている本を紹介する【舞台は福岡】コーナーを設けます。この「ラブコメの法則」をはじめ、「点と線」(松本清張著)、「半島を出よ」(村上龍著)、「悪人」(吉田修一著)、「逃亡くそたわけ」(絲山秋子著)など、新・旧作合わせて約30作品になりそうです。ぜひ、チェックしてください。
―広いワンフロアの店内、他にもポイントがあれば聞かせてください。 「ディスカバー・ザ・ユニーク」をテーマに、本はもちろん雑貨、洋服、あたたかサンダルにいたるまで、たくさんの発見がある店づくりを目指しています。併設のスターバックスに本の持ち込みが可能ですので、ゆっくりくつろぎながら本を選んでください。 ―サンダルまであるとは驚きです。今日はありがとうございました! 家族で楽しめるお店です。みなさん遊びに来てくださいね。
※情報は2018.11.15時点のものです