生理や下痢等でもないのに、なんとなく下腹部が痛むことはありませんか。これは妊娠超初期の下腹部痛かもしれません。まだ本人さえ妊娠に気づいていない可能性があり、妊娠検査薬などでもまだ陽性結果が出ない時期は、下腹部痛の原因が何なのか不安になりますよね。ここでは、妊娠初期症状の下腹部痛について解説します。
その下腹部痛、妊娠超初期症状かも?
下痢や便秘でも生理でもないのに下腹部痛があるという場合、妊娠超初期の下腹部痛かもしれません。妊娠超初期の下腹部痛が起こるタイミングは、生理前に下腹部痛があるという方は「生理が始まるのかな」と思う時期とかぶっているかもしれません。
筆者は生理前の時期から生理痛のような下腹部痛があり、もうすぐ生理が始まるのかと思っていたら妊娠していたということがありました。
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妊娠超初期とは
妊娠周期においては、最終月経の初日が妊娠0週0日されています。すなわち、妊娠1日目=妊娠0週1日という事になり、最終月経の2日目になるのです。それ以降は、7日で1週、4週を1ヶ月としてカウントしていきます。
妊娠2週頃に排卵が起こり、そのタイミングでパートナーと性交渉をすることによって受精します。約6日をかけ、受精卵は卵管を通って子宮へ辿り着き、子宮内膜に到達します。この時点で妊娠3週0日で、さらに約6~7日をかけて着床という流れになるのです。
妊娠超初期とは、妊娠0週〜3週目のことであるといわれています。早い人で「生理が遅れているから、妊娠かもしれない」と気づく時期が、妊娠4週目から5週目あたりです。
妊娠超初期の下腹部痛とは本人が妊娠に気づく前に起こるものなので、妊活中の方や心当たりがある方以外は、見過ごしてしまいがちな痛みのようです。「後から考えたら、あの下腹部痛は妊娠超初期症状だったのかもしれない」という方も多いようです。
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妊娠超初期の下腹部痛はどんな痛み?
妊娠超初期に感じる下腹部痛には個人差があるようです。
・痛みの種類は生理が来た時の周期と同じような感じ
・下腹に、突っ張るような、筋肉痛のような痛みを感じる
・夜勤中もあまりにも痛くて、うずくまるほど
先輩ママの声を聞いてみると、ちょっとした違和感からひどく痛む人までさまざまです。よくいわれるのは、「ちくちくした痛み」「シクシクした痛み」「ずきずきとした鈍痛」などです。
下腹部の下の方、子宮のあたりが痛むことが多いようです。妊娠超初期の下腹部痛は、受精卵が着床したときに痛みが生じるように感じられることから「着床痛」と呼ばれることもあります。どんな痛みなのか、どの辺りが痛むのかよく観察し、あまりにも痛くて心配なら受診しましょう。
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妊娠超初期に下腹部痛が起こる原因
妊娠すると、子宮が収縮したり拡張したりすることを繰り返します。子宮の収縮は、生理痛と同じように腹部の痛みの原因となります。週数が進んで子宮が大きくなると、膀胱や胃腸、恥骨など、周囲の器官を圧迫することになるため、身体中のさまざまな場所に負担がかかることになるのです。
妊娠超初期の下腹部痛の原因には、受精卵が着床する「着床痛」のほか、妊娠に伴うホルモンバランスの変化により、子宮が赤ちゃんを育てるために大きくなろうとして靭帯などが引っ張られることがあるようです。大きくなりつつある子宮が臓器を圧迫し、血行が悪くなったことによる冷えが原因で下腹部痛が起こることも考えられます。
下腹部痛を妊娠超初期に感じない人もいるので、下腹部痛がないから妊娠していないということはありません。下腹部痛の有無には、個人差があるということを覚えておきましょう。妊活中の人は体調の変化に敏感になっているため、妊娠超初期の下腹部痛を感じやすいかもしれませんね。
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妊娠超初期の下腹部痛の見分け方
痛みの感じ方はそれぞれなので、下腹部痛の感じ方だけで妊娠超初期かどうかを判断するのは難しそうです。一般的に、妊娠による下腹部痛は便秘や下痢とは違った痛みで、子宮のあたりが引っ張られるような感じで痛むことが多いようです。
生理痛との違いはあるの?
子宮のあたりが痛みとして、最初に思いつくのは生理痛ではないでしょうか。実のところ、普段の生理痛や生理前の下腹部痛と比べると若干重めに感じたという人が多いようです。「いつもよりも痛みが強い」「下腹部全体が痛む」「普段は腰痛がないのに腰痛もある」など、生理による下腹部痛と違う場合は、妊娠している可能性があるかもしれません。
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痛む場所はどこ?
妊娠超初期の腹痛は子宮周辺の変化によって起こるため、子宮のある場所、つまり下腹部が痛むことが多いです。しかし、大きくなる子宮に圧迫された他の臓器が痛んでいることもあるといわれています。
大きくなってくる子宮に圧迫されやすいのが腸や膀胱です。腸が圧迫されると便秘や下痢を起こしやすくなります。便秘や下痢の症状でお腹が痛いと思っていたら、妊娠していたということもあり得るのです。
膀胱が圧迫されると、頻尿になります。膀胱が圧迫されることによって下腹部がシクシクと痛むこともあります。膀胱炎の可能性もありますが、妊娠超初期の症状として膀胱炎に似た症状が感じられることがあるようです。
痛みを感じる場所がお腹の上の方であれば、胃炎の可能性もあります。妊娠超初期の腹痛は、基本的には下腹部痛として感じられることが多いので、腹のどの辺りが痛むかを感じ取り、妊娠超初期の症状かどうかの判断基準としても良いでしょう。
筆者も第2子の妊娠中、妊娠超初期はひどい下痢に悩まされました。第1子の時に感じられた「着床痛」のような痛みは、第2子のときには感じられませんでした。
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具体的な判断基準は?
妊娠超初期の下腹部痛かもしれないと思っても、妊娠検査薬で反応が出るか、産院でエコーに写るようになるまではなかなか実感が持てないものです。妊娠超初期の下腹部痛とともに、以下のような症状があれば妊娠している可能性が高いといえます。
・おりものに変化がある
・胸が張る、乳首が敏感になる
・寝不足でもないのに眠気がひどい
・体温が高くなり、熱っぽい
・においに敏感になる
・頻尿になる
・腰や足の付け根に痛みが出る
・食べ物の好みが突然変わる
・便秘、下痢になる
このような症状もあわせ、妊娠超初期の下腹部痛かどうかチェックしてみると良いでしょう。
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妊娠初期の下腹部痛はいつまで続く?
いつまで下腹部痛が続くのかは人それぞれです。感じ始めてから1週間ほどで感じなくなったという方もいれば、妊娠超初期を過ぎても下腹部痛が続いたという方もいます。
筆者自身は、いわゆる妊娠超初期の下腹部痛の原因でもある「着床痛」を感じました。シクシクとした痛みと、時折お腹の筋肉がぴーんと引っ張られるような痛みが1週間ほど続き、ぴたっと感じなくなりました。そのため、生理がそろそろくるのかなと思っていました。それから1週間痛んでは1週間痛まない、といったリズムで下腹部痛が続きました。
結局下腹部痛自体は、臨月までお腹が広がったせいかずっと断続的でした。痛みの度合いとしては、動きが止まったりするほどではなく、「なんだかぴりぴりしているな」と思う程度でした。
下腹部痛を感じたらどんなことに気をつけたら良い?
基本的には普段通りに過ごして大丈夫です。ただし、妊活中で生理予定日前に下腹部痛を感じた場合は「妊娠超初期症状かもしない」と意識し、以下に気をつけて過ごすと良いでしょう。
・身体を冷やさない
下腹部痛が助長することもあるので、できるだけ身体を冷やさないように心がけましょう。冷えは万病のもとと言われており、妊娠中は特に気をつけたいですね。
・腹圧をかけてしまう動作を避ける
妊娠超初期に限りませんが、重いものを持ち上げることなどはできるだけ避けた方が良いでしょう。
・過度な疲労やストレスを減らす
精神的な疲労は肉体にも影響します。妊娠中でホルモンの変化が著しい時期であればなおさらです。
下腹部痛に気づいて「もしかしたら妊娠超初期の症状なのかもしれない」と思ったら、できるだけゆっくりと日常を過ごすことが大切といえるでしょう。
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妊娠超初期の下腹部痛、流産の可能性は?
あまりに下腹部痛の痛みが強かったり、長く続いたりすると流産してしまうのではないかと心配になるものです。妊娠超初期から妊娠初期は、流産しやすい時期ともいわれています。
妊娠超初期から初期の流産の原因は、胎児に染色体異常があって成長できずに流産してしまうことがほとんどです。生理のように出血とともに体外に出てしまい、流産と気づかない場合もあります。
妊娠超初期に限らず、妊娠の初期には下腹部痛を感じる妊婦さんが多いので、そこまで心配する必要はないでしょう。しかし、出血したり我慢できないほどの強烈な痛みがあったり、急激に激しい痛みになったりした場合は、流産や異所性妊娠(子宮外妊娠)、胎盤や絨毛の一部が子宮からはがれてしまうことで起こる「絨毛膜下血腫」のサインの場合もあるため、すぐに受診してください。
妊娠超初期に薬を飲んでしまった場合
妊娠超初期の下腹部痛に気づいた時点で、気になるのはお薬のことです。基本的には、妊娠超初期に飲んだ薬によって赤ちゃんに影響が出ることはないといわれています。受精後の2週間は受精卵が細胞分裂するだけなので、赤ちゃんの臓器などはまだ作られないからです。
しかし、ビタミンAなどの脂溶性ビタミンを多量に含む錠剤など、一部の身体に残りやすい薬は過剰に摂取すると胎児の発育に影響する可能性があります。妊娠を希望している人は、服用している薬やサプリメントが妊娠中に飲めるかどうか、前もって病院に確認しておくと安心です。
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下腹部痛を感じたら身体を休めましょう
妊娠超初期は、ほとんどの方がまだ妊娠に気づいていない時期です。しかし、赤ちゃんや、ママになろうとしている自分の身体のメッセージに気づけたら、その時点で自分と赤ちゃんを大切にしてあげられるかもしれません。
基本的には妊娠超初期の下腹部痛は、出血を伴ったり、あまりにもひどい下腹部痛ではない限り、心配する必要はないでしょう。なるべく身体を冷やさず、無理をしないようにしてくださいね。
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この記事の監修
藤東 淳也
藤東クリニック院長
https://fujito.clinic/home/
日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長。専門知識を活かして女性の快適ライフをサポートします。