幼い頃、歯医者さんに行くのが嫌で嫌で、泣きながら虫歯の治療を受けた…。そんな記憶、皆さんにもありませんか? ところが最近の子どもはあまり虫歯がないのだといいます。1日3回、食後の歯磨きの徹底や、フッ素配合の歯磨き粉やうがい薬で予防することで、虫歯は一切ないというお子さんも珍しくありません。逆に虫歯だらけの子どもがいると、申し訳ないのですが、内心ギョッとしてしまうのです…。
4歳児の歯に違和感を感じた理由とは
先日、ママ友と距離を置こう、フェードアウトしようと思う出来事がありました。きっかけになったのは、子どもの歯のことです。
ママ友は、快活で話の面白い方なのですが、子どもが風邪をひいても病院に連れて行かなかったり、予防接種を受けなかったりなど、自分とはちょっと合わないかな? と、引っかかるところがありました。しかし子ども同士は仲が良いのでお付き合いをしていたのですが… ある時気付いてしまったのです。
ママ友の子どもの歯が、虫歯で真っ黒なことに。
ある日、公園で子どもたちを遊ばせていたら、ママ友の子が駆け寄ってきて、にっこりとかわいい笑顔で
「おやつの時間はまだ?」と聞いてきました。時間はもうすぐ午後3時。
「そろそろおやつにしようか。みんなを呼んできて」と答えたその瞬間、
「おや?この子、もう乳歯が抜けているのかな?」と口元に違和感を感じました。
乳歯から永久歯へと生えかわる時期は、個人差がありますが、6歳ごろだと言われています。実際わが家には、6歳の娘と4歳の息子がおり、娘の同級生たちは、幼稚園の年長さんから小学校1年生にかけて、“歯抜けさん”が増えていきました。しかしママ友の子は4歳。同い年の息子や息子の同級生で歯が抜けている子は、まだ1人もいません。
「4歳で歯が抜けるなんて珍しいな。しかも前歯がほとんど抜けてる?!」とまじまじと、ママ友の子の顔を見ると、歯が抜けているのではなく、虫歯で真っ黒になっているのでした。
前歯はほとんど真っ黒で、溶けて削れてしまっているよう。下の歯も見える限りで3~4本の歯が黒くなっています。まるでお歯黒のように歯全体が真っ黒なので、パッと見、歯がほとんど抜けているように見えたのでした。
こんなに虫歯だらけで痛くないのでしょうか。子どもたちにおやつを配りながら、ママ友の子がどうやっておやつを食べるのか見ていると、前歯がないので口の横から入れて、すぐに飲み込んでいます。他の子どもたちがまだモグモグとやっているところ、ママ友の子は、あっという間におやつを飲み込み、遊びに行ってしまいました。
子どもたちがみんな、おやつを食べ終わっていなくなったのを見計らい、ママ友にそっと尋ねました。
「○○ちゃん、歯が虫歯になってない? 大丈夫?」
まさかのママ友からの一言
すると彼女は、飄々(ひょうひょう)と
「大丈夫だよ。だって子どもの歯だもん。あと1年もすれば、大人の歯に変わるから、平気~」と答えたのです。
無理~! 乳歯は抜けるから虫歯にしてもいいだなんて、私は思えません。そもそも幼児の頃に歯磨きの習慣が身に付いていない子どもが、永久歯が生えてきたからといって、突然歯磨きをするようになるのでしょうか。
自分も含め、周囲のママたちは「子どものうちの虫歯は、親の責任」と、虫歯にならないよう毎日仕上げみがきをして、定期的に歯科検診に連れて行っているので、彼女のこの発言は衝撃的でドン引きしてしまいました。
子どもの虫歯だけで縁切りをするなんて、ひどいのかもしれません。けれども私にはどうしても受け入れられず、今は子ども同士で遊ぶのは止めませんが、ママ友と個人的に遊ぶことはなくなってしまいました。
この話を、学生時代から付き合いのある女医の友人にしたところ
「予防接種を受けてない時点で、私だったらお断り! 子どもをこのまま遊ばせるなら、おやつの“半分こ”とか、飲み物の回し飲みはやめておきなよ。虫歯菌がうつるよ」と忠告されました。そして、乳歯でも虫歯を放置すると、永久歯が生えてきた時に虫歯になりやすかったり、歯並びに悪影響があったりするのだと教えてもらいました。
皆さんも、お子さんが虫歯にならないように気を付けましょうね。
(ファンファンファン福岡一般ライター)