子どもが通う小学校で、今月の給食メニュー表に載っていたのが、「りっちゃんのげんきサラダ」。 「ん? なんだこれ?」と思ったのもつかの間、2年生の次女が興奮しながら説明してくれました。「ママ、りっちゃんのサラダだよ! 1年生のときにやったよね~」 そう。「りっちゃんのげんきサラダ」とは、1年生の国語の教科書に載っている「サラダでげんき」というお話に出てくるメニューだったのです。次女が音読で何回も何回も読んでいたのを思い出しました。 りっちゃんが、病気のお母さんのために、動物たちのアドバイスを聞きながらサラダを作るというお話でした。トマトやレタスというサラダの定番材料の他に、ネコがかつお節を入れろと言ったり、シロクマが昆布を入れろと言ったりして、ちょっと変わったサラダだったのを覚えています。 2年生の次女だけではなく、4年生の次男も、中学1年生の長女も「りっちゃんのげんきサラダ」に気がついて「どんなサラダだろうね~」と楽しみにしていました。
「りっちゃんのげんきサラダ」が出るその日は、偶然にも給食試食会と給食参観の日だったので、私も一緒にいただくことになりました。栄養士さんの話ではとても健康的なサラダで、お母さんのために作られた愛情のこもったサラダなんですよ、ということでした。 子どもたちもなんだかうれしそうに給食の準備をしていました。 「りっちゃんって何年生かな?」 「病気のお母さんが元気になったんだよね」 「なにが入ってたっけ?」 「私、家で作ったことあるよ!」 「やっぱり気になるよね~。食べてみたいよね」
そして、お待ちかねの給食の時間。目の前に運ばれてきた「りっちゃんのげんきサラダ」は…思ってたのとちがーう! 私の勝手な想像では、色とりどりで見ているだけでも元気になるような生サラダだったのですが、給食の「りっちゃんのげんきサラダ」はシナッとした煮物っぽい温サラダでした。彩りが悪いのは、おそらくたくさん入った昆布のせいなのですが、それにしてもこういうサラダだったのか! と軽いショックを受けました。 でも、食べてみるとおいしい! なるほど、思っていたサラダとは違うけど、しっかりとした味付けで、野菜もたくさん取れる健康サラダでした。 次女は気に入ったようで、たくさんおかわりをしていました。帰ってからも「りっちゃんのげんきサラダ」の話をして、もう一度教科書のお話を読み返していました。それを見た長女が「今度は生サラダ版の『りっちゃんのげんきサラダ』作ってみようよ」と提案。それもいいかも! きっとこの日は、それぞれの家庭で同じような会話があったはず。給食のメニューでこんなに親子で話が盛り上がるなんて、すてきな給食メニューだな~と思いました。 (ファンファン福岡公式ライター)