こんにちは。ボードゲームの企画・販売・講演などを行なっているツムラクリエイション(福岡市)の津村修二です。今回はデザイン性が高く、見ほれてしまうほど美しいトランプの数々を紹介します。
バウハウス トランプ Bauhaus PLAYING CARD GAME
1919年にドイツ・ワイマールで創立された教育機関「バウハウス」。初代校長には建築家でもあるヴァルター・グロピウスが就任。ヨハネス・イッテン、パウル・クレー、ワシリー・カンディンスキー、ミース・ファン・デル・ローエら名だたる芸術家たちを講師陣に迎え、工芸、写真、デザイン、美術、建築などを総合的に研究、教育した初の造形学校です。 1933年にナチの圧力で閉鎖に追いやられ、わずか14年という短い開校期間だったバウハウス。しかし、現代のアートやデザインにおいてバウハウスの与えた影響は計り知れません。 そんなバウハウスが創設100周年を迎える今年。フランス・パリのグラフィックスタジオCheeri(シェリ)がバウハウスの理論と色彩を元にトランプをデザインしました。製作は同じくフランスのCinqpoints(サンクポワン)で、「建築を遊ぼう」をテーマに建築にちなんだ数多くの商品を輩出している、建築家自身が手掛けるメーカーです。
見事なまでにバウハウス仕様になっており、作り手から同校への敬意が感じられます。特にJ(ジュニア)、Q(クイーン)、K(キング)、最少のパーツでピエロを表現したジョーカーのデザインは秀逸。
私が勤務している「つみきや」(福岡市・天神 イムズ6階)で取り寄せ可能です。
フランク・ロイド・ライト トランプ FRANK LLOYD WRIGHT PLAYING CARD GAME
近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライト(1867-1959)。2019年7月、「落水荘・カウフマン邸」「グッゲンハイム美術館」「タリアセン」などアメリカに現存する8作品が「フランク・ロイド・ライトの20世紀建築作品群」として世界遺産に認定されるなど、今また世界的に注目が集まっている天才建築家です。 このトランプの幾何学模様のデザインは、1912年シカゴ郊外のイリノイ州リバーサイドにあるデスプレーンズ川のほとりにライトが建てたエイヴリー・クーンレイ プレイハウス(プライベートスクール、子どもの遊び場のような場所)のステンドグラスを模したデザインです。子どものための施設ということで風船と紙吹雪、旗をモチーフにデザインされています。淵の色が黒と赤の柄違いで2組セット。製作はニューヨーク近代美術館(MoMA)です。
私はライトの熱狂的なファンで、彼が作る幾何学的なデザインを眺めていると、宇宙や古代遺跡のようなイメージが広がり、心をくすぐられます。模様の中にアメリカの国旗がデザインされているのがわかりますか? ヒントは黒縁の方の中央付近。隠し絵のようで面白いです。
ジャン・ベラム トランプ JEAN VERAME PLAYING CARD GAME
自然をキャンバスに見立てて制作を行うフランスのアーティスト、ジャン・べラム(1936-)。彼の立体表現を平面にデザインしたトランプです。2組セット。制作はパリのEDITIONS DUSSERRE(エディション・デュッセール)。
彼の手に掛かれば、人も山や岩など自然の造形物のように見えます。手描きのイラストが魅力的。ちなみにフランスではJ(ジュニア)はValet(下僕・召使)、Q(クイーン)は Dame(貴婦人)、K(キング)は Roi(王様)と表記されます。
★9月8日(日)にボードゲームのイベントを開催します!★
定期ゲーム会「第5回 津村修二のボードゲームジャーニー」をブックカフェ「本のあるところ ajiro」(福岡市・天神)で午後4時から開催します! 今回は「造形美のアブストラクトゲーム」と題し、伝統的なものから最新のものまで造形美の視点でセレクトしたアブストラクトゲーム(将棋やチェスのような運要素のない戦略型ゲーム)を5点紹介します。ご参加をお待ちしています。
第5回 津村修二のボードゲームジャーニー 日時:9月8日(日) 16:00 場所:本のあるところ ajiro(福岡市中央区天神3-6-8 天神ミツヤマビル1階) テーマ:「造形美のアブストラクトゲーム」 料金:1,500円、中学生以下1,000円 ※10歳くらいから参加可。小学生は保護者同伴で 定員:12人 ※要予約。予約はイベント紹介サイトから。先着順 主催:ツムラクリエイション 問い合わせ:本のあるところajiro 電話:080-7346-8139(加藤)
※この記事は2019年9月の記事です