北原白秋の没後77年目の命日にあたる11月2日、福岡県柳川市で開かれた「白秋祭・水上パレード」に出掛けて来ました。
西鉄福岡(天神)駅から約50分電車に揺られ、柳川市の西鉄・柳川駅に降り立ちました。
西鉄・柳川駅前に建つ銘板に記されていた詩は「からたちの花」。柳川ゆかりの詩人・北原白秋<1885(明治18)年~1942(昭和17)年>の代表作です。
柳川といえば、町中にめぐらされた「掘割(ほりわり)」と呼ばれる水路を「どんこ舟」と呼ばれる小舟で情緒豊かに進む「川下り」が有名。
毎年、白秋の命日とその前後日にあたる11月1日~3日の3日間、「白秋祭」と銘打たれた祭りが開かれていて、この日は大々的な水上パレードも予定されています。 没後10年の1952年に始まり、今回で67回目の開催とのこと。その回数からも地域で愛される祭りであることが分かります。
早速、どんこ舟に同乗者13名とともに乗り込み、鮮やかな藍色に染まる空を見上げながら、川下りのスタートです。
テーブルの上には豪華仕出し弁当が。おいしい料理をつまみながらビールや酒をたのしみ、夕なぎに吹かれながら遊覧する優雅な時間。最高です。
70を超えるどんこ舟が特設ステージ前に集結して開会式がスタート。 観光柳川キャンペーンレディ・通称「水の精」から、水上パレードを楽しむうえでの注意事項の呼び掛けがあり、「くれぐれも川に飛び込まないでください」というくだりで、場内大笑い。場が和み、出発に向けて気分が高まります。
水上パレードへ、いざ出発!
川の上にいくつものアトラクション舞台が設置され、参加客を出迎えてくれます。
おもてなしの声は橋の上や川岸からも。市民の皆さんによる大歓迎に胸がジンと熱くなります。
フォトスポットの一つ「歓迎提灯トンネル」。素朴な造りながらも見事な演出。情緒あふれる趣向に、またまた胸が熱くなります。
「かんぽの宿 柳川」前に全ての舟が再び集結。白秋祭はクライマックスを迎えます。
祭りのフィナーレを飾るにふさわしい、超至近距離に上がる色とりどりの花火。息を飲むほどの美しさです。
盛大な花火が終わると白秋さんに見送られ、どんこ舟は静かに船着き場へと進みます。
およそ3時間の優雅な舟旅。「ぜひ来年もまた」と思わずにはいられない、すばらしい非日常時間を味わうことができました。