長男が通う小学校では「子ども1人につき1回はPTAの役員をする」というルールがあります。私は1年生の時にPTAの学年委員になると決めていました。なぜなら、1年生のうちに済ませてしまった方が楽だと聞いていたからです。しかし私の思惑とは裏腹に、PTAは決して楽なものではありませんでした…。
計画通り! 1年生の学年委員に決定
PTA役員の仕事は多岐にわたります。でも長男の小学校では、1年生の学年行事は「給食試食会」が定番。やることが決まっている分、楽だと聞いていました。
PTAの選挙は、入学前に行われました。私と同じように「1年生で役員をやりたい」と思った保護者が多かったのでしょう、定員5人のところ約3倍の希望者が。私は、くじを引きで見事当選! 無事に学年委員になりました。
6月に行われた、年に1度の学年行事は私の予想通りの「給食試食会」に。子どもたちと保護者で一緒に給食を食べ、給食担当の先生から食生活についての話を聞きます。計画も、当日の運営もスムーズに進み、子どもたちやママたちと楽しんだ学年行事でした。
まさかのバザー担当?!
10月のある日、バザーに関してPTA役員の集まりが開かれました。そこで私にとって予想外のことが起こるのです。
バザーは、11月の音楽発表会と同じ日に開催されます。体育館が会場で、地域の飲食店が6店ほど、おにぎりやお団子などを販売します。PTA役員は商品の受け渡しをするだけと聞いていたので、そんなに大変ではないと思っていました。
しかし、PTA副会長から言われた仕事内容は
「学年の役員ごとに1つお店を担当します。食券の事前準備と、当日の準備・販売・片付け、駐車場整理もお願いします」と盛りだくさん!
結局、事前の食券準備では19時から21時まで拘束され、お金が絡んでいたので間違うことは許されず、ピリピリとした空気の2時間でどっと疲れました。
地獄のバザー当日
バザー当日。音楽発表が終わるや否や、PTA役員はすぐに招集。子どもたちのことは夫に頼んでバザーの準備が始まりました。
1年生役員は5人でおこわのお店担当。
「全部引き換えたら終わりだから、終わったら行くね!」と、夫と子どもたちに伝えていました。
この日はバザーでの食べ物販売の他にも、教室の廊下で図工作品の展示があったのです。長男は家族で回ることを楽しみにしていました。
しかし商品はなかなか引き換えが終わりません。店を空けるわけにはいかないので、同じ店のママたちと5分ずつ交代で子どもたちのところへ行くことに。しかし、バザーで購入したお団子を一緒に食べるだけで、あっという間に5分は過ぎました。
バザー終盤で気づいた事実
バザー開始から1時間半ほど過ぎた14時頃、ようやく商品も残りわずかになり、
「また交代で子どものところへ行こうか」と同じ店のママと相談していました。すると、全体運営の担当から
「次は1年生役員が駐車場整理の番です」と言われました。
「そうだった! 駐車場整理もあったんだ…」とママたちと顔を見合わせた時、ようやく気づいたのです。
他の学年の役員たちは、夫婦で交代しながら仕事をしていました。
何も知らない1年生役員の私たちは、1人ですべての役をしていましたが、2年生以上の役員たちは事前情報で2人体制だったのです!
子どもと過ごしたのは、たった5分だけ
仕事内容を夫と打ち合わせていないので、今さら夫と交代することもできません。
結局、その後も残りの仕事をやり遂げ、片付けや全体の反省会を終えて解散したのは16時半。
子どもたちは待つのに疲れて先に帰ることになり、一緒に図工作品を見られませんでした。涙目でがっかりした長男の姿が忘れられません。
「私たち、バザーの運営だけだったね」とママたち5人でため息。
入学して初めてのバザーで子どもたちと過ごしたのはたった5分。私たちは悲しいやら悔しいやら、モヤモヤしながら帰宅しました。
最近よく「PTAは必要か」ということが議論されますよね。PTAの仕事は、学校現場において必要だとは思います。
しかし、自分の子どもを犠牲にしてまでの、この仕事量はどうなの? と考えさせられました。仕事の内容や、やり方を考えていかなければ持続可能ではないのかもしれません。
(ファンファン福岡公式ライター / ちこた)