【塩対応すぎる息子】高校生まで育てて、私が気づいた理由とは

 小さい頃は親にべったりだった子どもも、大きくなると一人で行動するようになり、やがて親元から離れていきます。うちの息子は小学校の低学年から親を遠ざけるようになり、塩対応に。どのように接すれば良いかずっと試行錯誤していました。息子が高校生になった時、ママ友と話していてやっと理由が分かりました。その理由は、一体何だったのでしょうか。

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息子のリアクションが、他の子と違う!?

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 いつの頃からか、うちの息子と、よその子では、親に対するリアクションが全然違うと気づきました。

 学校へ迎えに行った時や、公園で遊んでいる時、はじけるような笑顔で親の元に駆けよるのは、よその子。さっきまで友達と笑っていたのに、仏頂面で私の元にやって来るのは、うちの息子。 

 私は怒ってもいなければ、親子げんかもしていません。自分で言うのもなんですが、容姿は派手でも地味でもないし、極めてフツーにたたずんでいるだけなのに、「な、なんなんだこの違いは!?」とずっと不思議に思っていました。

注意事項を守ったら、母は忍者になった

 息子が小学2年生のとき、授業参観日の前夜に手紙を渡されました。「えっ、感謝の言葉とか書いてあるのかな? うれしい!」と思って開けてみると…
 「入り口で見る」
 「手をふらない」
 「はなしかけない」
 「ひつようなはなしでもダメ」
 なんと『授業参観における注意事項』が書いてあったのです! 反論しようとすると
 「とにかくぜったい守るように!」と念を押されてしまいました。

 授業参観の当日は息子の言いつけを守り、授業は教室に入らず廊下からのぞき、休み時間に楽しそうにしている姿は柱の陰から観察、廊下の前から歩いてきたら素早く進路変更するなど、まるで忍者のような立ち居振る舞いで乗り切りました。

 息子の目にはどう映っていたのか心配でしたが、帰宅した後も私からは何も言わず、息子の出方を伺っていると… 特に何も言ってきませんでした。
 やったぞ、ミッションコンプリート!

高校生になった息子 授業参観で驚きの姿とは!?

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 そんな息子も高校2年生になり、授業参観のお知らせが学校指定のメールアプリで届きました。
 私が何か言うと
 「来ないで!」と言われそうなので、息子には何も言わず「出席」で返信し、当日は例のごとく忍者になりすまして学校へ潜入。  

 廊下と教室を隔てているのは、壁というよりほぼ窓。開放的な教室のため息子の姿がよく見える反面、こちらの姿も見えてしまう危険性が! そこで、いつにもまして遠くから観察していると、なんと隣の席の女の子と照れながら楽しそうに話しているではないですか。

 おいおい! 家では、あ行の
 「あー」
 「いいっ」
 「う゛〜」
 「えっ?」
 「おぅ」しか言わないというのに…。ちゃんとできてるじゃん! なんだかとても嬉しくなり、安堵の気持ちでいっぱいになりました。

 帰宅した息子に
 「隣の席の女の子、かわいかったね!」と言いたくて仕方がなかったのですが、絶対に怒られるー! と思いとどまりました。

これからも忍者母として

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 会話は多くて二往復(三回目は返答しない!)、何を考えているのかさっぱりわからない生き物、息子。

 と言いつつ、ママ友が
 「20歳になる息子にハグした」と聞いて、「私には絶対ムリ!」と思ってしまったとき、「そうか私の方も、息子に対して素っ気ない部分があるのかも!」と気がつきました。

 様々な家庭がある中で、うちはたぶん「相当照れ屋で意識過剰な中2病家族(?)」なのだと思います。
 
 大学入学を機に、きっと家を出るであろう息子も、そして私も、きっと素直にはなれないでしょう。でもこれからも、遠くから陰ながら「忍者母」として、息子をずっと応援し続けたいと思います。

(ファンファン福岡公式ライター / 柴田真千子)

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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