妹が誕生してから、息子は人がどこから生まれるのかに興味津々。自分のことはもちろん、私や夫がどこから生まれたのかをしつこく聞くようになりました。そのつど「ママは、ママのママのおなかから生まれたんだよ」などと答えていたのですが、この他愛ないやりとりが息子の珍発言を生み出すことになったのです。
「人が生まれること」に興味津々の息子
息子が2歳のとき、私は娘を妊娠、出産しました。息子は幼いなりに妹がおなかの中にいることを理解し、生まれる瞬間にも立ち会い、妹の誕生を心から喜んでいました。そして、それと同時に人の誕生について強い興味を抱いたようです。
それからというものの、ことあるごとに
「ぼくはどこから生まれたの?」
「ママはどこから生まれたの?」
「パパはどこから生まれたの?」
「ばあばは? じいじは?」と自分に関係する人たちがどこから生まれたのかをしつこく聞くようになりました。
私はその都度
「ママはママのママのおなかから生まれたんだよ」
「パパはパパのママのおなかから生まれたんだよ」
「ばあばは…」と答えていたのですが、いつになったらこの質問責めが終わるのだろうかとちょっぴりうんざりしていました。
そんなある日、息子と夫と私の3人で朝食をとっていると、夫が朝から冗談を飛ばしてきました。夫は元々冗談を言うのが好きな人ですが、その日はちょっとしつこ過ぎて私はイライラ…。止まるところを知らない夫にへきえきしていた私が、いい加減冗談をやめるよう夫を注意したそのときです。
息子が突拍子もない言葉を発した理由は
「もう、パパ! ばあちゃんのおなかに帰れよ!」と息子がシャウト。突然のシャウトと「おなかに帰れ」という思いがけないシュールな言葉に夫婦2人で思わず大爆笑してしまいました。
しかし、笑いどころが分からない息子はキョトンとするばかり。どうやら頑張れば元々いたおなかに帰ることができると本気で思っていたようです。
笑いをこらえつつ、
「一度生まれたら、もうおなかに戻れないんだよ」
「赤ちゃんは小さいからおなかにいられたけど、パパは大き過ぎるからおなかに入れないでしょう」と伝えたところ、ようやく理解し、息子もつられて苦笑い。
息子が
「ばあちゃんのおなかに帰れ」と言い出したのは、きっと私がいつも夫に
「月に帰れ」だの
「土に還れ」だの、口汚くののしっていたからでしょう。普段の自分の発言をちょっぴり反省しました。
それにしても本当に、子どもというのは親の言葉をよく覚え、真似するものですね。親の言葉を一生懸命真似て、意味を知ってか知らずか鋭く言い放つ息子の姿が微笑ましくて仕方がありません。これからも息子の珍発言に期待です。
(ファンファン福岡公式ライター/ぼたん)