長女が年長クラスのときに、登山イベントがありました。長女は初めての山登りを、とても楽しみにしているようでした。しかし途中で、ある事実を知り、落ち込んでしまいます。長女のかわいい勘違いに、思わず笑ってしまった出来事です。
保育園の登山イベント
長女は明るい性格で、2歳差の妹にも優しく、保育園では先生から「しっかり者だね」とよく言われていました。でも少しおっちょこちょいな部分もあり、そこが可愛らしいなと感じていました。
通っていた保育園では、年長クラスの最後の行事として標高約450メートルの山登りにチャレンジするイベントがありました。このイベントには、保育園生活の中で1人でできることがどんどん増えていき、山登りだってできるんだという自信を持たせる狙いがあったようです。
保育園から山までは車で1時間半ほどの距離。当日は次女を連れての登山は危ないと思い、次女は保育園に預けて、長女と私の2人で参加することになりました。
ついに山登りスタート
事前に先生から
「頂上まで45分程でたどり着ける山で、そんなに険しい山ではないですよ。保育園児でも登ることができます」と説明されたので、私も長女も安心していました。
しかし、10分程登ったあたりから、段々と山道が険しくなっていき、手を使わないと登れないようなところもあったのです。
「話が違うじゃない!」と思ってしまいましたが、お友達とのおしゃべりを楽しみながら一生懸命登っている長女の姿を見て、成長を感じることができました。
私も長女と歌を歌ったり、写真を撮ったりと楽しみながら登っていたのですが、長女がふと
長女「わたしが先に頂上に着いたら、1人で先におりてるね!」と笑顔で言ってきたのです。
私「先におりたら危ないから一緒に下りようね」と言うと、
長女「大丈夫! 1人で滑れるから」と会話が噛み合わず…。
私「滑る? 何を滑るの?」
長女「すべり台だよ! 1人で滑れるから大丈夫だよ」
「すべり台?」と不思議に思っていると、
長女「帰りはすべり台でおりるでしょ? いつも公園で滑ってるから、1人で大丈夫だから!」と自信たっぷりの笑顔で一言。
まさかの勘違い
まさか長女が、頂上に巨大なすべり台があると思っていたとは知らず、「説明しなかった私が悪いのか…」と思いながらも、長女に事実を伝えました。
私「大きなすべり台はないよ。自分の足で山を下りるんだよ」
長女「え?! すべり台ないの?」
私「ないよ…」
長女「え、本当はあるよね?」と、なかなか信じられない様子。
なんだか長女に対して申し訳ない気持ちになってしまいましたが、すべり台がないという事実をなかなか受け入れられない長女の姿を見て、思わず笑ってしまいました。
思い出になった山登り
その後、無事に頂上まで辿り着くことができ、
私「ね? すべり台ないでしょ?」と伝えると、長女は少しだけムスッとした顔をしていました。
私「頑張って一緒に下りようね」と伝えると、
長女「登るのも大変だったから、下りるのも大変だよねぇ~」と言いながらも、しっかりと最後まで自分の足で下山することができた長女でした。
よほど疲れたのでしょう。帰りに先生たちからお土産をもらい、車に乗り込むとすぐに眠ってしまいました。
家に到着し
私「また一緒に山登りに行きたいね!」と言うと、
長女「すべり台がないならもう山には登りたくない…」と言っていました。
長女の勘違いを可愛いなぁと思っていましたが、本人は至って真剣だったので、
私「本当にすべり台があると思ってたの?」と聞くと、
長女「思ってたよ! ソリ持っていこうかなって考えてたもん!」と言われ、さらに笑ってしまったのでした。
(ファンファン福岡公式ライター / emu)