「コンビニワープ」を絶滅せよ!痛ましい幼子の死亡事故発生 久留仁譲二が訴える

 先月3月14日の夜、大分県宇佐市の国道10号線沿いの焼肉店の駐車場で、家族で食事に訪れていた3歳の女の子が、軽トラックにはねられて亡くなるいたましい事故が起こりました。軽トラックを運転していた71歳の男性は、釣りに行く途中で近道をしようと、信号がある交差点を避けて、いわば私有地である焼肉店の駐車場を横切ったのです。  実は、私久留仁譲二も、20年ほど前、やはり釣りに行く途中同じ行動を取り、事故こそ起こしませんでしたが、通りがかったパトカーに捕まった経験があります。愚かでしたが、良い薬になりました。  こうした運転中正規の道を通らず、近道をする行為を「コンビニワープ」と呼ぶそうです。  人に説教できるような立派な人間でない私ですが、自戒を込めて「コンビニワープ絶滅」を訴えます。

出典:久留仁

 こんにちは。久留仁譲二です。  ついに、私が住む福岡県を含む7都府県に「緊急事態宣言」が出されることになりました。  いろいろな意見ありますが、わらにもすがる気持ちで、その効果が一刻でも早くあらわれることを祈るばかりです。  きょう私が乗った高速バスもガラガラでしたが、人との接触が避けられない公共交通機関でなくご自分の運転する車で動く人も増えるでしょう。そんな時だけに、車の運転について私自身の恥もさらしながら、お伝えしたいことがあります。

 「コンビニワープ」という言葉をご存知でしょうか?  私は、おととし10月の西日本新聞紙上、「デスク日記」というコラムを読んで初めてその造語を知りました。ざくっと内容を書くと、その10年前飯塚市で人の車に同乗して赤信号を待っていたら、不意に運転者が「コンビニワープします」と言い、ハンドルを切り、コンビニエンスストアの駐車場を斜めに横切り左前方の道路に入って開いた口がふさがらなかった、というものです。

 冒頭の写真、事故とは関係ありませんが、私も時々買いに行く近所の大きなコンビニです。通行料の多い大きな道と生活道路が交差する便利な場所にあって、駐車場も広いので、使い勝手がよく繁盛しています。ご覧いただくとわかるように、左手前から駐車場に入り込み、向こう側に出ていくことは容易にみえます。前方が沢山の車で渋滞しているときは、「コンビニワープ」の誘惑にかられる運転者がいても不思議ではありません。

 お叱りを承知で私の過去の悪事を白状します。  20数年前、福岡市の西方・糸島方面に釣りに行こうとして車を運転していました。当時は、寝ても覚めても釣りと魚のことが頭を占めていて、一刻でも早く釣り場に着きたい、その一心でした。  それで、コンビニならぬ私有地と歩道がかなり広い部分を見つけて、信号を待たずにその場所を10メートほど走りました。「してやったり」とゆがんだ笑みを浮かべたのも束の間、「ウ~ウ~ウ~」とサイレンを鳴らしたパトカーが後方から近づき、車を停めさせられました。もちろん、違反で「歩道通行」という名目で反則切符を切る羽目になりました。事情聴取に時間もかかったので、その日の釣りも断念しました。

 その瞬間は、罰金は払うし、釣りもできずで損をしたような気持ちになりましたが、人や物に危害を加えることなく終わったのは不幸中の幸いであり、あのとき偶然パトカーが近くを通ったことも神様の「こんなことをしてるとロクなことにならんぞ」というお告げだったのかもしれません。  その後は一度も、そうした誤った”近道”をすることは無くなりました。

 冒頭に書いたように、焼肉店の駐車場で、3歳の幼い命が奪われる悲しい事故がつい最近起こっています。私がたまたま目にしたのが、このニュースで全国あちこちで同じようなことが起こっているだろうと考えられます。  亡くなった女の子と同じ中津市に住む加害者の男性は、「気づいてブレーキを踏んだが、間に合わなかった」と話しているそうです。その時は血も凍るような恐怖を味わったでしょうし、今も毎日後悔してもしきれない苦しい時間を過ごしているものと想像されます。  「コンビニワープ」や「駐車場ワープ」をしても、せいぜい2、3分の時間です。そんなことのために、大切な人の命を奪ったり、大けがを負わせるようなことは誰だってしたくないはずです。  「急がば回れ」を肝に銘じて、コンビニワープは今この瞬間から絶対にやめましょう。

※この記事内容は公開日時点での情報です。

著者情報

米国の本家と同い年のシニアブロガー。毎晩長いときは30分に及ぶ歯磨きを欠かさない。最近覚えたメルカリへの出品にはまっている。
17年乗った作業用の軽トラックをカッコいいカーキ色の新車に買い替えた。

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