こんにちは、看護師・アロマセラピスト 緑です。 秋晴れの心地よい日。 自転車に乗っていたら、ふわりと甘い香りが。 「金木犀だ!」思わずキョロキョロしたら、…ありました。 少し離れた塀の向こうに、ちらりとオレンジ色のかわいい花が見えます。
こんにちは、看護師・アロマセラピスト 緑です。 秋晴れの心地よい日。自転車に乗っていたら、ふわりと甘い香りが。「金木犀だ!」思わずキョロキョロしたら、…ありました。少し離れた塀の向こうに、ちらりとオレンジ色のかわいい花が見えます。
中国では金木犀の花は桂花と呼ばれ、漢方薬として用いられています。お茶の香り付けや、砂糖につけた「桂花糖」、花をつけこんで熟成させた「桂花陳酒」など食用としても親しまれています。楊貴妃が愛飲していた事でも知られる有名なお酒です。私は桂花を紅茶とブレンドして飲んだりします。
金木犀が子どもの頃から好きでした。あの甘い香りがどこからともなくしてくると、必ず探して近くまで行き、香りを吸い込んでいました。なんだか幸せな気持ちになれました。 アロマセラピーを学び始めた時、当時の先生に「キンモクセイの精油はないんですか?」と訊ねたことがあります。その先生は「世界で約400種類の精油が作られているけど、おそらく存在しません。私の大好きなコーヒーの精油も早く製造されたらいいのにって思います。」と答えてくださいました。 それから数年後、金木犀もコーヒーの精油も製造・販売されるようになりました。さらに時が経った現在でも、販売しているメーカーはそう多くなく、あまりメジャーではありません。
さて、金木犀の精油の香り。精油というものは、主に「水蒸気蒸留法」といって、天然の植物を釜に入れ、熱い蒸気をあてて抽出されます。ローズやジャスミンといった植物の場合、この抽出方法では繊細な香りが損なわれるため、熱を加えない「有機溶剤抽出法」が用いられます。金木犀もこの方法にて抽出されます。 金木犀の、一般的イメージ「フルーティで芳しい香り」この香りの再現を期待しますが、実際の精油はなんと言うか…重く苦味すら感じるような。「鉛のような重い感じ」と表現されている方もいらっしゃいました。 金木犀好きとしてはこの香りに納得がいかず、4社ほど嗅ぎ比べをしましたが「これ!」というものにいまだ出合っておりません。たくさんの花から抽出され濃くなるためかもしれませんが、使用する際は、だいぶうすーく希釈して用いたほうがよろしいかと。 効能としては、炎症や去淡作用があるので、風邪の引きそうな時におすすめです。不安やイライラを減らし精神安定にも一役買ってくれます。昔のヨーロッパでは、創造力や潜在能力を引き出す精油とまで言われていたことがあるそうです。
澄んだ空に、どこからともなく香る金木犀。開花してからは数日で散ってしまうので、この甘い香りは9月下旬から10月初旬の10日間程の風物詩ともいえるかも。短い秋の訪れを感じる、ちょっぴり贅沢な時間。どうぞ満喫してくださいね。