小学1年生の息子が初めて参加した音楽会。演奏したのは鉄琴でした。事前に担当楽器を決めるテストで合格して選ばれたとので、息子はやる気満々! 家でも紙で作った鉄琴で練習をし、毎日のように音楽会練習の話をしていた息子。成功するといいなと思っていたのですが、当日は思わぬトラブルがあったようで…。
小学1年生 初めての音楽会
1年生の発表は、歌と合奏でした。最初は「にじ」の歌を元気よく歌った子どもたち。とっても可愛らしくて会場も笑顔になったようでした。
そして次は「きらきらぼし」の合奏。鉄琴の息子は、一番前に出て演奏を始めました。真剣に指揮者の先生を見て演奏する息子。しかし、演奏も中盤に入ったところで、息子の目から涙がポロリ。間違えたわけではないようで、どうしたのかな? と思っていると、ポロポロとこぼれ落ちる涙…。
周りの子は息子が泣いていることに気付いていないようでした。息子は涙を流しながらも手を止めることなく、指揮者を見つめながら演奏し続けました。 涙を流しながらも一生懸命に最後まで演奏する息子の姿に、思わず私も泣いてしまいました。
気が付くと、周囲のママの目にも涙が!
演奏が終わり、涙を袖でふく息子。私もハンカチで涙をふき、はっと気が付くと隣にいた義母も
「〇〇(息子)、がんばってたねぇ」と言いながら涙をふいていました。ふと周りを見ると、義母の隣のママも、後ろのママも泣いていたようで、驚きました。
さらに驚いたことに、指揮者の先生が指揮台から降りてこちらを振り向くと、指揮者の先生も泣いていたのです! 大勢の人が泣いていたことに驚き、私の涙は引っ込んでいきました。
周りのママたちは、きっと1年生が緊張して涙を流しながらも最後まで演奏している姿にもらい泣きしたのでしょう。会場は大きな拍手に包まれました。
息子が泣いた理由は?
その後教室へ行くと、担任の先生と主任の先生から声をかけられました。
「〇〇(息子)さんが泣いていて驚かれましたよね」と担任の先生。
「実は、練習の時から〇〇さんには『鉄琴がリードしてみんなのリズムをとってね』って言ってたんです」と、主任の先生も話し始めました。たしかにそのことは息子から聞いていて、
「ぼく、がんばらなきゃ!」と息子が張り切って言っていたのを思い出しました。
「でもね…」と続ける主任の先生。
「本番では、みんなが緊張したからかテンポが速くなってしまって、合わなくなってきたんです。それで〇〇さんは『自分がリードしなきゃ』って思ったんだけど、うまくいかなくて泣いちゃったそうですよ」と教えてくれました。
担任の先生は、また涙ぐみながら
「もう〇〇さんの責任感の強さに私泣いてしまって!」と続けました。
「ほんと素晴らしいです!」と先生たちは大絶賛。
真面目な息子は、自分のせいで演奏がうまくいかなかったら… という責任感から泣いてしまったとのこと。
その後息子が少し恥ずかしそうな様子で私のところへ来ました。私が
「上手だったよ!」と声をかけると、息子は照れくさそうに笑いました。
その後も話題になった息子の涙
音楽会から一週間ほど経ったある日のこと。当時の職場に同じ学校のママがいました。そのママと音楽会の話をしていると
「そういえば、泣いていた1年生いたよね。私、あの子見て泣いちゃった! 周りももらい泣きしてたよ」と言われました。どうやら私の息子とは気づいていなかった様子。
「その子… うちの子なの」と、息子の泣いた理由を話すと
「え~! そんな理由が! かわいい」と同僚はまた涙ぐみながら話していました。
息子の初めての音楽会。息子は泣いてしまったことを恥ずかしく思っていたようです。しかし私は
「成功させたいという気持ちがすごく立派だったよ」と伝えました。夫も
「悔し涙は悪くないんだよ」と話しました。
長男の中では大成功といかなかったようですが、私たちにそう言われて自分なりに満足したようでした。
そんな息子は、今年で小学5年生。今年の音楽会では小太鼓をやってみたいと張り切っています。
(ファンファン福岡公式ライター / ちこた)