こんにちは。看護師・アロマセラピスト 緑です。
4月。 日差しがあたたかくなり、思わず外に出たくなるような今日この頃。 しかし。紫外線!春から気をつけろって言うじゃありませんか。
私は高校卒業後6年間、鹿児島に住んでいたのですが、日差しが半端ないのです。 ジリジリと焼けつくように痛い。。 にもかかわらず。 日焼け止めのクリームなどが嫌いだった(めんどくさかった)ので、ほぼスッピンで過ごしていました。 今考えると、自殺行為。 タイムマシンがあったら、当時の自分に文句を言いに行きたい今日この頃です。 最近は、日焼け止めクリームもいろんなタイプがあり、質感もよくなってますよね。 みなさまぜひ対策してお出かけくださいませ。
さて。前置きが長くなりましたが、アロマセラピーでは、紫外線に関して気をつけて頂きたい精油がいくつかあります。 今日はその代表的な精油、柑橘系の「ベルガモット」をご紹介します。
まず、「光毒性」について。 精油によっては、「フロクマリン類」という成分を含むものがあります。 これは、紫外線のエネルギーを蓄積し、皮膚内に放出、かゆみや、発赤・色素沈着(シミ)を起こすことがあります。 光毒性のある代表的な精油は、 ベルガモット(0.4%) アンジェリカ・ルート(0.78%) レモン(2.0%) グレープフルーツ(4.0%) カッコの数値は、これ以上の濃度で使用すると、光毒性が出現するとされる希釈濃度です。 アロママッサージなどで使用する希釈濃度は、通常1%です。(例:植物油10mlに対し精油2滴で1%濃度) ベルガモットは、フロクマリン類の「ベルガプテン」という成分を含んでおり、一般的な精油の中では最も強い光毒性があります。 ベルガモットなどの光毒性を含む精油を肌に塗布した場合、しばらく紫外線を避ける必要があります。 「精油の安全性ガイド」という本では、0.4%よりも高い濃度で使用した場合、12時間は日に当たらない方がよいと記されています。
マッサージ以外でも、入浴時のバスソルトなどの使用も、皮膚に成分が付着します。 精油を原液で噴霧するタイプのディフューザーなどでも、皮膚に近い位置で使用し続けると、日焼けしやすいそうです。 柑橘系の果皮から、圧搾法と呼ばれる方法で抽出される精油は、少なからず「光毒性」があります。 『スィートオレンジには含まれない。マンダリンはほとんど問題ない。』と多くの文献で紹介されてもいますが、精油は天然のもの。 栽培や製造過程でも異なります。どの成分がどの程度含まれているかは、成分分析しないと厳密にはわかりません。 低濃度での使用を心がけ、皮膚塗布後は紫外線を6-8時間は避けることをおすすめします。
知り合いのアロマセラピストに聞いた話。 あるところに、ベルガモットの香りが大好きな人がいました。 いつもこの香りが嗅げるようにと、高濃度のブレンドオイルを手の甲によく塗っていたそうな。 すると、どうしたことでしょう! いつの間にか、その部位に大きなシミができてしまったそうです。。 …絶対に気を付けましょうね。 メーカーによっては、光毒性成分のフロクマリンを除去したベルガモットFCF(フロクマリンフリー)という精油も製造しています。 昼間に肌に使用したい場合や、心配な方は、ベルガモットFCFをご使用ください。 先に注意点から入ってしまいましたが、ベルガモットの香りはすばらしく、人気があります。 心地よく爽やかで、フローラル系の優しい甘さも含んでいます。 同じ柑橘系のスイートオレンジに比べると、複雑で繊細。 エレガントな大人の香りといった印象でしょうか。 オーディコロンの成分として最初に用いられた精油でもあり、現在でも幅広く使用されています。 他のいろいろな芳香ともよく調和するので、香水産業においても、非常に重要な精油です。 また、紅茶のアールグレイの香り付けに用いられていることでも有名です。
ベルガモットは300種類以上の成分を含むと言われています。 酢酸リナリルには、鎮痙作用、鎮静作用、鎮痛作用、抗炎症作用などがあります。 ほかにも、肝臓強壮・腎臓機能促進、消化器系の促進作用などの働きも。 ざわざわするような気持ちをしずめ、明るく上向きにし、ゆったりとした落ち着きが保てます。 不安、抑うつ、緊張、精神疲労などに大きな効果が期待できます。 食欲不振や摂食障害などの食生活上の問題の改善にも役立ちます。 1970年代にミラノ大学のパオロ・ロベスティー教授が、イタリアのオレンジ・ベルガモット・レモンなどの精油を神経科病院で処方しました。 そして、ヒステリー・うつ神経症などの症状に対して有効であることを世界で最初に臨床例として報告しました。 特にベルガモットは、心配を和らげ神経の緊張を解く作用があると示されています。 安眠オイル・ラベンダーとブレンドするのもオススメ。 眠りん坊さんは熟睡しすぎに注意!?(笑) 柑橘系の香りは万人受けするので、出会いの多いこの季節におススメです。 お気に入りの精油をカードなどに垂らし、名刺入れに入れておくと、ほのかに香りづけできます。
ふんわり香り、第一印象アップになるかも!? (柑橘系の精油はうっすら黄色なので、名刺への色移りに注意!ティッシュでくるんだり工夫を。) 新年度のスタートを明るい気分で迎えられますように。 (ベルガモットは光毒性があります。低濃度で使用し、使用後は6-8時間は紫外線にあたらないようご注意ください。)