「何故私と結婚したの?」妻の疑問に夫が語る真相とは…vol.7

前々回二人で一緒に決めた「結婚をしない」というルールを、どうやってあなたは打ち破り、結婚するという法案を強制採決させたかを。 前々回

出典:ファンファン福岡

しかし、ここであなたは、信じられない、天地がひっくり返るような、奇策を仕掛けてきたのです。 よりによって、こんな所で、あなたは、あなたの長所である、その持ち前の行動力を発揮したのです。その行動力たるや、それはもう坂本竜馬が生きていたら、 「おまん、ワシと一緒ぜよ。」 と言ってもらえるであろう位の縦横無尽の動きでした。 覚えていませんか?あれは、あなたが一緒に住む部屋に、ゼクシィを持ち帰ったほんの数ヶ月後に迎えたお正月です。どこかドライブにでも出掛けようという事で、あなたの実家に車を取りに行こうという話になりました。 あなたは、快諾し、 「ちょっと待って。家に電話してみるけん。」 そう言って、実家に電話を掛け始めました。 私は、実家の車を、誰も使う予定はないかの確認だろう。そう思っていました。というか、私以外の人間も普通にそう思う所です。 しかし、読者の皆様、今は私の妻である、この女の人は、我々が想像を絶する事を、電話の向こうの母に言い放ったのです。 「あっ、お母さん、彼氏が今から、結婚の挨拶を両親にしたいって言いようけん、そっち行っていい?」 ん?ん?ん?私が、あなたの発言を理解するまで数秒、確かに、この世の時は、止まっていました。あっ、時って止まるんだそう感じていました。時だけではなく、私の身体の中を流れる血もその数秒、絶対に止まっていました。

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そして、脳があなたの発言を理解し、時と血が再び動き始めた時、気付けば、私は、あのゼクシィを発見した時と同じように、部屋の中を大きく一周半回っていました。 皆様も、結婚する気もなく付き合っている彼女に、実家に電話を掛けられ、何の心構えもない時に、突然、「今から彼氏が結婚の挨拶に行きたいって。」 と言われた事を想像してみて下さい。きっと気付いた時には、私と同じように、その場を大きく一周半回っていると思います。 私は、必死にあなたに抵抗をしました。約束が違う。そんなつもりはない。それならば、もう実家に車を取りに行かないと。 結果、ドライブは雨天でもないのに、中止になりました。私は、かなりの怒りをぶつけたつもりでした。 だからあなたは分かってくれたのだろうと思っていました。いや、確かににあの時、あなたも私の抗議に対して、分かったと言ってくれていました。 そして再びすぐ、あなたは実家に電話を掛け直しました。 「ちょっと急に用事が出来たけん、そっち行かれんようになった。だけん車はいらんよ。だけん結婚の挨拶も出来ん。」 私は安堵の気持ちで一杯になりました。しかし、その後、あなたは、私の顔を見て、私に向けていた見えない銃の引き金を引いてとどめを撃ってきたのです。

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「彼氏が、今日行けず、すいませんって。また再来週位に挨拶には行きますって。だけん、お父さんに時間空けとって下さいって言いようよ。」 おい!そんな事言ってないぞ! もうとどめの銃弾を撃たれた私は、今度は部屋の中を一周半どころか、一歩も歩く事が出来ませんでした。 私はあなたの顔を見つめ、 「卑怯者め…。」 そう心の中で呟きながら、意識が遠のくのを感じていました。 そんな卑怯なあなたにも、竜馬さんならこう言って味方してくれるでしょう。 「わしもおまんと一緒の様に、拳銃を持ち歩いとったんじゃ。なっ、これからはやっぱり拳銃の時代ぜよ。」 こうして、あなたは、あなたの両親を味方に付けました。 それだけではなく、あなたの母がスピーカーなもんで、あなたの親戚中にも好香ちゃんが、結婚するってよって連絡して回り、あなたの親戚一同も味方に付けました。 そして、それからも、あなたの行動力、機動力は留まる事なく、すぐ数日後には、私の母に、3人でごはん食べに行きましょう。そう連絡し、その食事の席で、   「おかあさん、私達結婚するかもです。」(私の声→いやいやいや、今日初めて会って、突然すぎるやろ。) 「のりひさは何も出来んけど、大丈夫?」(いや反対しなさい。急な事にびっくりしなさい。) 「大丈夫です。私が全部しますから。」(介護かい。そんな問題じゃなくて) 「あら、よろしくお願いします。」(いやあっさり了承するんかい。)   そう言って、私の母も味方に付けました。 こうして、あなたは、大連立与党を作り上げ、賛成多数、圧倒的勝利で、結婚法案を強行採決して通したのです。思い出しましたか? 婚姻届の提出が、2月22日です。 ですから、あの事件が正月なので、今思えば、たった1か月半で、結婚まで持って行ったのです。 私が酔っ払って帰ってくる度に、あのゼクシィの婚姻届を出して、 「今日は、自分の苗字、森本だけ書いて見ようか。」 「今日は、のりひさの徳だけね。」 「自分の誕生日分かる?分かるなら、今日は、誕生日書いてみて。」 「ねえ住所書ける?そっか、なら、ここに書いて見よう。」

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私は、酔って何の意識もないままに・・・。 そうやって気付けば、婚姻届は、色んなボールペンや、ペンで書いた、一文字、一文字違う太さや色の濃さの文字が並び、完成していました。 そして、大事なメインイベント、大トリの最後に押すはずの、私の森本という印鑑、それは、あなたが押しました。 「私が出来る事は、私がしてやるけん。だけん、印鑑は私が押せるけんさ。私が押しとってやるね。」

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優しさか何なのか、もう分かりませんでしたが、「ありがとう」 とりあえずあなたにそう言いました。 こうして、我々二人は、晴れてか、曇ってか、夫婦になったのです。 思い出しましたか?これが、あなと結婚した理由というか、経緯です。 ああ、なぜだか、酔いたい気分になりました。それも、普段は飲めないいい酒を飲みたくなりました。 いつか、お祝い事があった時、開けようと思って取っていた、華丸さんにいただいたあの甕雫極をもう開けます。 ・・・。 夫のりひさより   《森本夫妻がやってくる!イベント情報》 http://www.pocoabocco.jp/_m/topics/2015/3111/https://www2.city.kurume.fukuoka.jp/soshiki/9048egao/kururunfes2015.htmlhttp://maps.kosodate-fureai.jp/event/2015/10/9023.php 

※情報は2015.10.10時点のものです

出典:森本夫妻

※この記事内容は公開日時点での情報です。

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