産後に必要以上にイライラしたり、他人に攻撃的になったりすることを「ガルガル期」と呼ぶそうです。私は第1子を里帰り出産しました。その里帰り中にまさにガルガル期に突入した私。イライラした相手は実父だったのです。
長男の誕生に大喜びの両親
私の両親にとって長男は初孫だったため、長男が産まれた時は両親とも大喜びでした。父は仕事帰りに毎日産院に顔を出してくれ、嬉しそうに長男を眺めていました。
父は怖そうな見た目なのですが、子どもが大好きな人です。私が小さい頃は従兄弟たちを相手によく遊んでいたのを覚えています。
退院後、実家に里帰り
産後1週間が経過して退院してからは、実家で過ごしました。食事の支度や沐浴の支度などを母が手伝ってくれ、私はのんびり過ごすことができました。
母は専業主婦で家にいたため、たくさん助けてくれ、私がお願いしたことには、嫌な顔一つせずにやってくれました。
長男はよく泣く子で、なかなか寝かせられずに大変だったのですが、私は育児に専念できたので、母には感謝しています。
実家に戻ってからも、父は仕事が終わると私と長男が休んでいる部屋に来て、長男の様子を見ていました。私の体調も気遣ってくれ
「ちゃんと眠れてる?」などよく聞いてくれていました。
ガルガル期?! 次第にイライラするように
しかし、実家で過ごすようになって1週間ほどすると、ささいなことでイライラするようになったのです。例えば、沐浴中に母が少し息子の顔にお湯をかけてしまったり、息子の寝かしつけ中に声をかけられたり… そんな小さなことでイライラがつのります。
そのうちに、毎日仕事帰りに私と息子の部屋に寄る父のこともイライラするようになりました。
父はいつも
「〇〇(息子)、今日はどうだった?」と聞くのですが、その返事をするのも嫌になり、だんだんとぶっきらぼうに返事をするようになる私。
さらに、それさえも嫌になった私は、父が帰る時間に布団にくるまって眠ったふりをするようになりました。
そんな嫌な態度をとり始めて4、5日経った頃、父も私の態度の変化に気付いたようで、帰ってきても部屋に顔を出さなくなりました。その時の私は、父の相手をしなくてもよくなってせいせいした気持ちでした。
父は気づいていた
しかし、父が部屋に来なくなって3日ほどすると、だんだんと父のことが気になってきました。父とはあれ以来、ほとんど顔を合わせていませんでした。
ちょうどその頃、夫が実家に顔を出しました。
夫が来ていたため、父も部屋にやって来ました。しかし、夫が父に息子を抱っこするように促すと、父は
「〇〇(私)が嫌がるからな…」と寂しそうに言ったのです。そのことについてその場でそれ以上話すことなく、父もすぐに部屋から出ていきました。
夫も変だなと思ったようですが、私が触れられたくないと思っていたのを察したのか、何も言いませんでした。
父に謝ることに…
夫が帰った後、父のことがどんどん気になりだすように…。父が嬉しそうに息子を見ていた顔や、大事そうに抱っこしていた様子を思い出し、私は謝ることを決心しました。
リビングにいた父に
「嫌な態度をとってごめんね。何だかわからないけどイライラしてた。〇〇(息子)のこと、抱っこしてくれる?」と言った私に、父は何も言わずに手を差し出してくれました。
その時撮った写真には、とても嬉しそうな表情で息子を抱っこする父が写っていて、今でも大事にしている写真のうちの1枚です。
その後は父に対してイライラすることもなくなり、残り2週間の里帰り中、毎日息子を抱っこしてもらいました。
家族にガルガル期を伝えることも大切
今では息子も10歳になりましたが、父の息子への愛情は変わらず、遊びに行く度に可愛がってくれます。息子も父のことが大好きで、いまだに抱っこしてもらっています。
あの時素直に謝ってよかったなと、心から思いました。
これから出産を控えている方は、事前に家族に「ガルガル期」について伝えてみるのもいいかもしれません。自分が落ち着いているときに話しておくことで、たとえガルガル期になったとしても、相手も自分も幾分か気持ちも楽なのではないかと思います。
(ファンファン福岡公式ライター / ちこた)