今回は、子どもによくある腹痛の原因と対処法についてお話します。
子どもの腹痛にはどんなものがあるの?原因は?
「お腹が痛い」という子どもの訴え、よくありますよね。子どもの胃腸は生まれてから発達し、腸内細菌は成長とともに増加し、腸内環境が整っていきます。そのため、食べ過ぎや水分の摂り過ぎ、ストレス、そして便秘や感染、腸の病気や腸以外の病気まで、腹痛の原因はたくさんあるのです。
よくあるパターンの腹痛~便秘や下痢、ストレスによるもの~
では、もし子どもが腹痛を訴えたらどう対処したら良いのでしょう。便秘の場合には便が出てしまえばすっきりします。お腹を「の」の字にマッサージするのが効果的です。市販の子ども用浣腸液で対処する方法もあります。 食べ過ぎたり水分を摂り過ぎてしまった場合には、腸を休ませてあげましょう。下痢を伴うことも多いので、しばらく消化の良い食べ物にして、乳酸菌飲料やヨーグルトで腸内細菌を増やします。 また、子どもの胃腸はストレスに弱く、すぐにお腹の調子が悪くなります。子どもの話をよく聞き、共感することで安心させてあげましょう。家でリラックスできる環境作りも大切です。
感染による腹痛の場合
風邪やウイルス性の病気で腹痛を訴える場合には、嘔吐や下痢がみられることも多いもの。脱水にならないように水分補給を忘れないでください。菌やウイルスが排出されると症状は落ち着きます。嘔吐や下痢の回数が多く、水分が摂れない時には受診しましょう。 また、お腹の症状がない風邪でも、クリニックで処方された抗菌薬の内服で下痢や腹痛が起こる場合があります。これは薬で腸内細菌が減ってしまったことが原因です。腸に負担の少ない食べ物と乳酸菌を含む食品を摂取しましょう。
小児科や急患センターを受診すべき腹痛
保護者として、一番気になるところは「受診しなければいけない腹痛」ですよね。腹痛に加えて次のような様子も見られたら、小児科や急患センターを受診しましょう。 ・顔色が悪く、ぐったりしている。コミュニケーションが続かない。 ・お腹を触るとすごく張っていて固い。お腹を押さえるとさらに痛みが増す。 ・痛みがだんだん強くなっている。 ・腹痛は突然始まっており、嘔吐もある。 ・そけい部(太ももの付け根の部分)が盛り上がっていて寝かせても戻らない。 ・便に血が混じっていたり、吐物に血が混じっていたり、緑色の液体を吐く。 ・熱を伴った腹痛で食欲がない。 ・火がついたように激しく泣いたかと思うと少しよくなり、また激しく泣くを繰り返す。 ・男の子の場合、睾丸が赤くなり腫れぼったい。 以上のような症状で当てはまるものがあったら、腸重積や虫垂炎、腸閉塞など腸の病気と腸以外の臓器が原因で腹痛が起こることも考えられます。いつ頃から、どのような感じなのか、受診時に伝えられるようにしておきましょう。