20歳で視力を失い、教師になる夢を諦めた浦田さんはゴールボールと出会い、新たな道を歩み出しました。26歳で体づくりをスタートし、08年北京パラリンピックに出場、12年ロンドンでは金メダルを獲得しました。日本代表キャプテンが語る“勝つためのルール”とは?
―もともと、運動は苦手だったそうですが。 ええ、地元の友達や先生が驚いています。体育のハードル走ではいつも転んでいましたから(笑)。でも、運動音痴だからこそ最初の3年間はコーチから言われたことを何でもしました。いつか世界で戦いたい、金メダルを獲りたい。そのためにもらえるアドバイスは自分にとって全てがプラスでした。考える前に言われたことはまずやる。それが今に繋がっていると思います。 ―モチベーションが上がらないときは? 実は、「やりたくない」と思うことがあまりないんです。フィットネストレーニングはきついけれど、翌日は大好きなコート練習だからそのためにこの筋肉を強化しようと思うと楽しくなります。だるいと思ったら「どんな休息が最適なのか」と考える。今日は何のための一日なのかがはっきりしているんです。それでもケガをしたり、仲間とぶつかったりして落ち込んだときは音楽を聴きます。ゆずの「with you」が大好き。元気が湧いてくるんです。 ―リオへの意気込みを。 2連覇への思いはチーム全体で日に日に高まっています。日本も戦力を上げていますが、世界はもっともっと強くなっている。勝つためには「準備」。どれだけきつい練習をこなせるか、集中力を高めて試合に打ち込めるかが勝負です。そしていざ、リオの舞台に立ったら笑顔で全ての力を出し尽くしたい。そうすれば結果もついてくると信じています。 【パラリンピックゴールボール女子予選リーグ】 9月8日(木)14:30スタート Profile 浦田理恵 1977年生まれ、熊本県出身。シーズアスリート所属。仕事とトレーニングに励む傍ら、講演会でも活躍。竹内由美著『浦田理恵 見えないチカラとキセキ』(Gakken)を刊行